"義母の古希に愛人を連れてきた夫と5000万円の借金" 第23話
タカシはのひらを返したように、涙ながらに復縁を乞い始めた。
その姿は先ほどまでは私を良品と呼び、ゴミのように捨てようとしていた男とは到底えない、浅ましくも惨めな姿だった。
私は自分の元にすがりつく男を、まるで汚物を見るような目で見ろした。
私は歩がり、彼の震えるをたく振り払う。
「やり直す、タカシさん本気で言っているのですか?」
私は彼を真っ直ぐに見据え、言葉の刃を突き刺す。
「あなたは親戚同ので私を侮辱し、偽の診断を信じて私を女だと罵り」
私は彼が犯した罪を、つずつ数えげる。
「さらには私の名を勝に使って、5000万円もの借を作ったのですよ」
私は氷のようにたい声で、彼に問いかける。
「そんな男と体誰がやり直したいとうのですか?」
タカシは言葉に詰まり、顔を歪める。
「そ、それは、でも子供には父親が必だろう」
彼は必に父親としての権利を主張しようとする。
「いいえ」
私は即座に彼の言葉を切り捨てた。
「この子に、あなたのような卑劣な父親は必ありません」
私は自分のお腹を庇うように両を当てる。
「私の実である園寺が、そして私を本当の娘のようにしてくださるお義母様が、この子を全力で守ってくださいます」
私は彼を見ろし、最終な宣告をす。
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「あなたはこの子のに1秒りとも関わる資格はありません」
私の徹な宣告に、タカシは「ああっ」と絶望の声を漏らしそのに崩れ落ちた。
しかしここで、さらなる衝撃が追い打ちをかけるように彼らを襲った。
今まで呆然として自分の腹を撫でていたユリが、突然狂ったように笑いし、自分の腹部から何かを取りしたのだ。
「アハハハハ、跡取り、子供、おめでたいわね」
ユリはちがり、狂気に満ちた目で私たちを睨みつける。
「あんたたち、そんなのこの世にもいやしないわよ」
ユリが畳のに投げ捨てたのは、何層にも巻かれた分いタオルと、精巧に作られたシリコン製の特殊メイク用具だった。
先ほどまで妊娠8ヶに見えていた彼女の腹部は瞬にして平坦になり、派なミニスカートがブカブカになって腰からずり落ちた。
「に、妊娠してなかったのかお」
タカシは信じられないものを見る目で、ユリのぺちゃんこな腹部を見つめる。
「俺を騙して」
ユリは酷にを鳴らし、言い捨てる。
「当たりじゃない、あんたみたいな抜けからをむしり取るためのただの具よ」
彼女はシリコンの腹をで蹴りばす。
「ボスとの子供、そんなの最初から嘘に決まってるでしょう」
ユリはタカシを指差し、嘲笑の表を浮かべる。
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「私はただボスの命令で、あんたというづるを逃さないために妊婦のふりをしてただけよ」
ユリの告に、タカシは今度こそ完全に精神が崩壊したような顔でを仰いだ。
自分が信じていたしい族は全て偽物で、自分が捨てた本当の族こそが本物だった。
しかも自分がかかっても敵わないほどの、巨な権力と富を持っていたのだ。
「さて、タカシ、そしてユリさん」
義母のトシコさんがやかにちがった。
その背には、いつのにか数の黒の男たちが控えている。
「遊びは終わりです。ここからはの責任の取り方を教えてあげましょう」
義母はタカシを見ろし、酷に宣告する。
「タカシ、あなたは横領の罪とカナさんへの慰謝料」
彼女は扇子をタカシに向ける。
「そして私が買い取った5000万円の借を、ぬまでかけて返していただきます」
義母はユリの方へたい線を移す。
「そしてユリさん、あなたは私の顔にを塗った罪を、そのをもって償ってもらいましょうか」
義母の言葉と共に、黒の男たちが歩へ踏みした。
逃げのない級料亭の個で、ついに彼らにとっての真の獄の幕がこうとしていた。
「カナお願いだ、考え直してくれ」
タカシは畳に額を擦りつけ、涙ながらに私にすがりついてくる。
「俺が悪かった、本当に、本当に反省しているんだ」
彼は顔をげ、必に訴えかける。
「お腹の子のためにも、父親である俺が必だろう」