"義母の古希に愛人を連れてきた夫と5000万円の借金" 第22話
「俺という夫がいながら、の男と」
膝をついたまま、タカシは狂ったように叫び声をげた。
その顔は醜く歪み、裏切られた被害者であるかのように私を指差してなじり始めた。
どこまでも自分勝で、自分の非を認めようとしない男。
その浅ましさに、私はの底からえ切った軽蔑の線を送った。
私はゆっくりとちがり、乱れた着物をえてから静かに、しかしはっきりとをいた。
「タカシさん、倫をしていたのはあなたの方でしょう」
私はたい線で彼を見ろす。
「私はこの5、あなた筋に尽くしてきました」
私は隣につ義母を見つめ、く頷く。
「それはここにいるお義母様が誰よりもよくっています」
タカシは混乱した顔で、必に反論する。
「じゃあなんで子供ができるんだよ」
彼は義母を指差し、叫んだ。
「母さんが言ったんだぞ、俺は子供が作れない体だって」
タカシの問いに、義母のトシコさんがクスリと優雅に、そして毒を含んだ笑いを漏らした。
その笑いは獲物を袋に追い詰めた猛禽類のような、鋭さを持っていた。
「タカシ、あなたは本当に救いのない馬鹿ですね」
義母はれむように首を振る。
「私が言ったことを、そのまま鵜呑みにするなんて」
彼女は黒田に線を向ける。
「黒田さん、あの偽の診断を見せてあげなさい」
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黒田がトランクから取りしたのは、タカシの名が記された精密検査の結果報告だった。
そこには確かに、無精子症の文字が並んでいる。
しかし義母は、その類を指先で弾きややかに言い放った。
「これはね、私がりいの医師に頼んで作らせた真っ赤な偽物ですよ」
義母の言葉に、タカシは息を呑んだ。
「あなたがカナさんをないがしろにしてで女を作っているという確かな報を掴んだあの」
義母はタカシを鋭く睨みつける。
「私はあなたがその女とどんなにるかを確認するために、わざとこの偽の報をあなたに流したのです」
義母は勝ち誇ったように微笑む。
「あなたがユリという女を連れてきて、私にしい孫だと嘘をつくことは、全て私の計算通りだったのですよ」
タカシは呆然とし、自分のを見つめる。
「に、偽物を、じゃあ俺は正常だったっていうのか」
義母はたく答えた。
「ええ、あなたは極めて健康で正常な男性です」
彼女はタカシを蔑むように見る。
「ただあなたの性が、あまりにも欠陥品だっただけ」
義母は私の方を向き、優しい調になる。
「カナさんに子供ができなかったのは、あなたが遊び歩いてを空け、彼女になストレスを与え続けていたからになりません」
彼女はタカシに酷な線を戻す。
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「あなたがユリという女にうつつを抜かしを空けるようになった皮肉なタイミングで、カナさんの体は皮肉にも本来の健やかさを取り戻し、奇跡にしい命を授かったのです」
義母は嬉しそうに微笑んだ。
「彼女が私にその報告をしてくれたのは、つい先週のことでした」
義母の言葉に、私はお腹にそっとを当てた。
そこには確かにさな、しかし力い鼓が宿っている。
この5どれほど望んでも叶わなかったが、夫という呪縛からがれ始めた瞬に叶ったのだ。
「カナ、本当に俺の子なのか」
タカシの目に、瞬だけ儚い希望のが宿った。
彼は膝をついたまま私の元にい寄り、震えるで私の着物の裾を掴もうとした。
「俺たちの本当の跡取りなのか」
タカシは涙を流しながら、私を見げる。
「だったら話は別だ、カナ許してくれ」
彼は必に言い訳を並べてる。
「俺が悪かった、あの女には騙されていたんだ」
タカシはすがるようにをわせる。
「俺たちのに子供ができたなら、婚なんてする必はないだろう」
彼は自分の都のいい未来を描き、語りす。
「俺はを入れ替えていい父親になる」
タカシは私の顔を覗き込み、必に説得しようとする。
「園寺グループの令嬢であるおと、俺たちの血を引く子供」
彼の目に、再び汚い欲望が浮かぶ。
「それさえあれば俺のはバラだ」
タカシは私のにしがみつく。
「なあ、やり直そう。母さんも孫がまれるなら嬉しいだろう」