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"義母の古希に愛人を連れてきた夫と5000万円の借金" 第21話

りでもしみでもない。

ただ果てしない虚無と、そしてようやくこの呪縛から解き放たれるという静かな確信だけが私のに満ちていた。

私が沈黙を守ることで、彼らの発する醜い叫びはより層滑稽に、より層惨めに際っていった。

タカシは隣で絶望に打ちひしがれるユリを、今度は憎悪の塊のような目で見つめた。

「お、おのせいだ」

彼はユリにい寄り、彼女のを掴んで鳴る。

「おが俺を誘惑して、会社のを横領しろなんてそそのかしたから」

タカシは自分の罪を全てユリになすりつけようとする。

「おさえいなきゃ、俺は今でも園寺の婿養子として将来を約束されたエリートっていたんだ」

彼はユリの肩を激しく揺さぶる。

「返せ、俺のを返せ、この殺しめ!」

タカシはユリに向かって、支滅裂な罵倒を浴びせ始めた。

ついさっきまでしい嫁だ、してると持ちげていた女を、自分を救うための贄に捧げようとしているのだ。

「どのが言うのよ、この甲斐ない男」

ユリも負けじとタカシを突きばし、切り声をげる。

「自分からんで私に貢いできたくせに」

彼女はタカシの顔を指差し、嘲笑の表を浮かべる。

「カナさんが女だからつまんないとか、持ちのばあさんの遺産がに入るとか、毎私に愚痴ってたじゃない」

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ユリはタカシの頬を叩こうとを振りげる。

番の悪党はあんたよ、タカシ!」

ユリもまた、ケダモノの見にくい本性を暴し始めた。

親戚たちはあまりの毒々しい言葉の応酬にを塞ぎ、目を背けている。

「黙れ、黙れ黙れ!」

タカシがユリにびかかろうとしたその

「喧しいと言っているのが、まだ分かりませんか」

義母のトシコさんの静かだが背筋が凍りつくような言が、部の喧騒を力ずくでねじ伏せた。

義母はゆっくりと扇子をに取ると、それをピシャリと畳ので鳴らした。

その乾いた音が、まるで刑執図のようにく響く。

「タカシ、そしてそこの潔な娘、あなたたちの醜い言い争いはもう分です」

義母はたい線でを黙らせる。

「古希のお祝いという良きに、これほどまでにを汚されるとはいませんでした」

彼女は黒田に向かって、静かに問いかけた。

「黒田さん、準備はいいですね」

義母の問いかけに、黒田は無表に頷いた。

「はい」

黒田は元のスマートフォンを確認し、淡に報告する。

「警察、税務署、そして園寺グループの法務、全てとの調が完いたしました」

彼はタカシとユリを見ろし、逃げがないことを宣告する。

「この部た瞬から、彼らに逃げはありません」

その言葉を聞いた瞬、タカシはヒッと喉を鳴らし、今度こそ完全に腰を抜かしてに崩れ落ちた。

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しかし義母の本当の仕返しは、法な裁きだけではなかった。

「ああ、そうそう。言い忘れていましたが」

義母は絶望のどん底にいるタカシを見ろし、まるで今の献でも話すかのような軽い調でとどめの撃を放ったのだ。

「あなたがずっと役たずの女だと罵っていたカナさんですがね」

義母は私に向かって、優しく微笑みかける。

「実はおめでたなのですよ」

そのにいた全員のきが、凍りついたように止まった。

私自も驚きで目を見いた。

「な、なんだって」

タカシはを半きにしたまま、呆然と呟く。

「カナが妊娠」

タカシが信じられないものを見るような目で、私の平らなお腹を見つめた。

義母のから語られたあまりにも皮肉で、そして衝撃な事実。

物語はタカシが最も恐れていた、そして最も切望していた形での逆転へと気に加速していく。

「なんだって、カナが妊娠、嘘だ」

タカシはを抱え、いずるようにして首を振る。

「そんなの嘘だ」

彼は義母を見げ、狂ったように叫ぶ。

「母さん、さっき俺のことを無精子症だって言ったじゃないか」

タカシは自分を指差し、声を引きつらせる。

「種がない俺に子供ができるわけがないだろう」

彼は血った目で私を睨みつけ、ありえない言いがかりをつけ始めた。

「カナ、おまさか倫してたのか」

彼は畳を激しく叩き、から唾をばす。

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