"義母の古希に愛人を連れてきた夫と5000万円の借金" 第17話
義母はタカシを軽蔑の目で見る。
「タカシが会社の次期役員候補だと勘違いしていた彼らは、あなたを妻に収まらせることで、会社を内部から操ることを企てたのです」
義母の言葉は、タカシのに最の撃を与えた。
自分がされ選ばれたエリートだというプライドは、完全に打ち砕かれる。
ただの都の良いづる、あるいはただの具として利用されていたに過ぎなかったという残酷な現実。
「俺は、俺はただのATMだったっていうのか」
タカシは両で顔を覆い、絶望の声を漏らす。
「お、よくも俺を騙したな」
彼は鬼のような形相でユリを睨みつけ、拳を振りげた。
「おのおかげで俺は会社もクビになり、5000万円の借を背負い、がめちゃくちゃになったんだぞ!」
しかしその瞬、完全に逃げを失ったユリので何かがプツンと切れた。
彼女は突然突きばされた畳ので、狂ったように笑いを始めたのだ。
「アハハハハ、そうよ、その通りよ」
ユリは乱れた髪をかきげ、タカシを睨み返す。
「あんたみたいなつまらない男、ボスの命令じゃなきゃ誰が相なんかするものですか」
先ほどまでの甘ったるい声とは打って変わった、ドスの効いた声で叫びした。
「エリート気取ってたけど、はただの見栄っ張りじゃない」
ユリはタカシを指差し、嘲笑の表を浮かべる。
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「デートのだっていっつもケチ臭いことばっかり言ってさ」
彼女はタカシの顔を覗き込み、最も傷つく言葉を吐き捨てる。
「ベッドでも全然使い物にならないくせに、自分じゃ流の男だとい込んでて、本当に吐き気がしたわ」
ユリはお腹を撫で、勝ち誇ったように宣言した。
「あんたの遺伝子なんか、1ミリだって欲しくないのよ」
彼女は酷な笑みを浮かべ、タカシを見す。
「私はボスのい遺伝子を残すために、あんたという全な隠れ蓑を利用しただけ」
ユリはタカシを蹴にするような線を向ける。
「どうせ無精子症のポンコツ男なんだから、私に騙されてお貢ぐくらいしか使いがなかったんでしょう」
ユリのから堰を切ったようにびす、痛烈な侮辱の言葉の数々。
それは先ほどまで彼女が私に向かって放っていた暴言の何倍も鋭く、タカシの男としてのプライドを々に引き裂いていった。
親戚たちはあまりの修羅に言葉を失い、部の隅でを寄せって震えている。
料亭の美しい庭園ではのが穏やかに吹き抜けているというのに、この部のだけは醜い欲望と憎悪が渦巻く獄の底のようだった。
「貴様、よくも、よくも俺をコケにしやがって!」
完全に理性を失ったタカシが、血った目でユリに向かってびかかろうとした。
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もはやの男の力で殴られれば、妊婦であるユリの体はひとたまりもないだろう。
しかしタカシの振りげた拳がユリに届くよりもく、黒田が信じられないほどののこなしでいた。
黒田はタカシの腕を掴み、あっさりと背にひねりげたのだ。
「ぐわああっ!」
痛みにタカシが鳴をげる。
「暴れないでいただきたい」
黒田の氷のような声と共に、タカシは畳に顔を押し付けられ無残なうめき声をげた。
「ここで暴力汰を起こされては、料亭の方々にご迷惑がかかりますからね」
ユリはそれを見て、「勝った」とばかりに醜く歪んだ笑みを浮かべた。
「フン、ざまあ見なさい」
彼女はちがり、黒田と私を睨みつける。
「私はボスの女なのよ。あんたたちみたいな貧乏が私にをしたら、組織が黙ってないわよ」
ユリは完全に調子に乗り、傲な態度で求した。
「さあ、この無能な男の借残5000万円、園寺のお嬢様とそこの偉ぶってるおばあさんがとっとと払いなさいよ」
彼女はバッグからスマートフォンを取りし、画面を操作し始める。
「払わないなら、今すぐボスに話して若い衆をこの料亭に呼んで」
ユリが勝ち誇った顔で画面を操作しようとした、まさにそのである。
部の入りから、底えのするような男の声が響き渡った。
「その必はねえよ、ユリ」
声の主は、ゆっくりと部のへとを踏み入れる。