"12人の子を育てた母の墓から蛇が出た――納骨室を開けると、知らない骨壺が重ねられていた" 第2話
度目の目
翌の午、私は墓管理を任されている職の息子、亮介さんと母の墓へ戻った。
寺に残る受付簿では、この3、森川から修理や納骨の相談を受けた記録はないという。もっとも、それだけで誰かが墓をけたとは断定できない。震や凍結でがずれることもあるため、まず現物を確認することになった。
「満さん、ここから先は触らないでください。もし為な跡なら、写真の状態を残したほうがいい」
「分かりました」
私は軍も具も持ってこなかった。昨と同じ位置から撮できるよう、スマートフォンだけをにしていた。
平の墓にはない。杉の梢が揺れるたび、乾いた葉が畳を擦った。
亮介さんは膝をつき、継ぎ目にさなライトを向けた。奥だけ目材のみが違う。さらに、台と面のに、属の具を差し込んだような浅い傷が2本残っていた。
私はの写真を表示し、同じ角度で見比べてもらった。画面のでは、奥まで苔が続いている。現の墓では、その苔が幅20センチほど削られ、端だけが自然に直線を描いていた。
「掃除で剥がれた形ではないですね」
亮介さんは写真の撮と位置報も確認した。の命に、この墓で撮ったものだと分かる。私は画像を寺へ送信し、元のデータを消さずに保した。
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「自然に割れた目ではなさそうです」
「誰かがけたということですか」
「まだそこまでは言えません。ただ、度して、雑に戻した能性はあります」
その言葉を聞いた瞬、元の枯れ葉がいた。
昨と同じ褐の蛇が、墓の奥からゆっくり姿を現した。私たちから逃げるのではなく、台に沿って半周し、墓で止まる。
私は反射に歩がったが、亮介さんはかなかった。
「同じ蛇でしょうか」
「模様は似ています」
背に、墨を垂らしたような黒い斑点が3つ並んでいた。昨の写真にも同じ模様がある。
私が撮すると、蛇は再び奥の隙へ戻っていった。細い体が完全に消えたあと、奥から湿ったがしだけこぼれた。
亮介さんはちがり、墓全体を見渡した。
「蛇が巣にしているだけなら、のに空ができているということです。ですが、この墓の納骨はで囲われています。普通なら、あそこからへは入れません」
「普通なら?」
「蓋になる板がずれていなければ、です」
母の骨壺は、墓のにある納骨へ収められている。葬儀のとき、正面部の板を材が専用の器具でかした。族だけで簡単にけられるものではない。
あの、私は男として母の骨壺を抱き、父の隣で納骨のにった。板が閉じられ、職が目をえるところまで見届けている。
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なくとも、そのとき奥に隙はなかった。蛇が入れる空など、残されていなかったはずだ。
だが、奥の面はわずかに沈み、板の角が数ミリ浮いていた。
亮介さんは寺へ話し、古い施図面と管理記録を確認するよう頼んだ。それから、墓の周囲に細い入禁止のロープを張った。
「ご族には、まだの話をしないでください。にさせるだけですから」
「父には伝えます」
「使用者ですから、それは必です。今はの担当窓にも確認します。けるは、材とご族のち会いをそろえましょう」
帰り際、私はもう度振り返った。
いロープに囲まれた母の墓は、昨までと同じ形をしていた。それなのに、もうっている墓には見えなかった。
夕方、亮介さんから話が入った。
「施図面が見つかりました。満さん、やはり側の板が、本来の位置からずれています」