"搭乗直前、警察犬が機長に飛びかかった――10時32分、空港全便が止まった理由" 第4話
消えた47秒
217号へのち入りは直ちに禁止された。
それまで「個の荷物」に限られていた問題が、168を乗せる体そのものへ広がった。野は217号の源を必最限に落とし、油作業を止め、周囲の作業を退避させた。消防両も、乗客の目につきにくい誘導側へ配置される。
乗客は保区域かられた待スペースへ移され、交代の話も断された。空港危対策では、県警、空港会社、消防、航空、空港運用管理の担当者が画面越しに状況を確認していた。
瀬はハヤテを内へ入れるに、黒川の線を洗い直すよう求めた。のバッグに誰が触れたか分からないままでは、内で見つかる臭いとの関係を判断できない。
システム担当の佐伯湊が、乗員休息の監映像を刻順に並べた。
917分、黒川は窓側の席に座り、バッグを隣の子へ置く。921分、客乗務員に呼ばれ、入付の類へ署名しにった。
「は部をていません」
戸が言った。
確かに黒川は映像内にいた。ただし、類台とのには背のい観葉植物があり、バッグは黒川の界から隠れていた。
佐伯が映像を拡する。
清掃用カートを押した男が休息を通り、その直、の作業を着た物が入ってきた。子をくかぶり、いマスクをしている。
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男は清掃員に見えるよう屑籠をのぞき、そのままバッグの横を通った。
が度だけがった。
袋の指先が、ファスナーをなぞっている。
黒川が席へ戻るまで、47秒だった。
「顔は見えないのか」
野警部の問いに、佐伯は別角度の映像を表示した。しかし、子とマスクでからしか見えず、社員証も裏返されている。
「作業は備会社のものに似ています。ただ、肩の会社章がありません。清掃員を装った備関係者かもしれません」
瀬は47秒の映像をもう度見た。男の歩き方に迷いがない。休息の構造も、黒川が類へ呼ばれるもっていたように見える。
佐伯は入退記録を呼びした。
同じ刻、乗員休息に入った記録は黒川たち正規の乗務員分しかない。作業の男は、別のけた扉が閉じるに滑り込んでいた。
さらに佐伯が備区画のログを検索すると、画面に自然な空が現れた。
午128分の次が、午134分。
通常なら、6分だけ記録が途切れることはない。
「この部分、欠損じゃありません」
佐伯はキーボードからをした。
「番号が詰め直されています。誰かが130分の記録だけを削除しています」
「復元できるか」
野が尋ねる。
「本体からは難しいですが、15分ごとのバックアップが別系統に残っています。削除したがそこまで触っていなければ」
佐伯は予備サーバーへ接続した。読み込み表示が回る、瀬は作業の物を静止画にして見直す。男のには、備員が使う具袋がなかった。目は作業ではなく、休息へづくことだけだった能性がい。
画面にバックアップ覧が現れた。しかし130分のファイルは暗号化され、通常権限ではけない。解除には管理責任者の承認が必だった。
つまり、消された記録のはまだ分からない。それでも、誰かが消したという事実だけは残った。
その、別の端末に警告が表示された。
217号の内検索始に伴い、空港危対策本部が港便の全面止を決定したのだ。
搭乗案内板から、7便すべての発刻が消えた。