みかん小説
本棚

"深夜の義実家" 第10話

義実にだけは、何があっても戻りたくない。あの夜、静沈着な夫が正気を失うほどの何かが起きた所であり、あの黒尽くめの男たちが現れた現なのだ。 私が曖昧に濁していると、義母が急に鋭い調でを乗りしてきた。 「ところで、退院の続きをめたいんだけど、貴品や分証はどこにあるの? うちの部に置きっぱなしになっていたあんたたちの荷物は全部ひっくり返して探したんだけど、どこにも見当たらなかったのよね。あんたたち、自宅がないなら事な類はどこに保管していたのよ?」

荷物を全部ひっくり返して探した――その言葉に、烈な警戒が警報を鳴らした。 「……ホテルのフロントの貸庫に預けたり、トランクルームを利用していました。普段から持ち歩く荷物は最限にしていますので」 「そう……今の代はスマホ台あれば何でもできちゃうからねぇ」 義母は忌々しそうに眉をひそめた。

実際、私の分証――運転免許証は、常に持ち歩いているスマートフォンの帳型ケースの内側ポケットに差し込んであった。 「退院続きは自分でやります。正彦の入院続きについても、私が責任を持っていますので」 「いいのよ、あずささんは病みがりなんだからしくしていなさい。続き関係は全部私がやってあげるから、正彦の分証しなさいよ。

広告

どこを探してもなかったのよ!」 義母の瞳に、獲物を狙うような異様な執着が宿っていた。 私を保険詐欺の犯だと罵っておきながら、なぜそこまで必になって分証に入れようとするのか。 私は咄嗟に嘘をついた。 「正彦の免許証は……のダッシュボードに入れっぱなしでした。警察が事故両から証拠品として押収したんじゃないでしょうか」 「なんですって……!?」 義母はあからさまに苛ちをわにした。

その骨な態度に、私はついにの限界を迎えた。 「お母さん……本当は何を探しているんですか? 退院や入院の続きなら、緊急なんですから分証の提示はでも待ってもらえるはずです。なぜそんなに分証に執着するんですか!?」 私の問いかけに、義母は般若のような形相で激昂した。 「私がこれだけ親になって尽くしてあげているのに、何よその態度は! 私の善を疑うっていうの!? いいから素直に分証を渡しなさい! そんな錯乱したで正常な判断ができるわけないでしょう!」

義母は私の腕を掴み、力任せに私の帳型スマホケースを奪い取った。 から私の運転免許証を見つけすと、義母はそれを握りしめて病していった。止めに入った護師たちも、義母の凄まじい剣幕に圧倒され、「お義母様に任せた方がですよ」

広告

「今は興奮なさらないで」と、かえって私を宥めにかかる始末だった。

その、医師から呼びされた私は、精神科の受診とカウンセリングをく勧められた。 事故のトラウマによる度の妄やパニック障害が疑われるというのだ。退院続きを終えて戻ってきた義母は、笑を浮かべながら私に選択を迫った。 「あずささん。私のに戻るか、それともこのまま精神科の閉鎖病棟に移送されるか、どちらか好きな方を選びなさい」 医師も護師も、義母の「献病」を完全に信じ切っており、私がでホテルに戻ることを頑として許しなかった。義母の監に置かれるか、精神科に制入院させられるか――逃げを完全に奪われた私は、屈辱に震えながら義実へ戻るを選ぶしかなかった。

こうして、義実での悪のような監活が幕をけた。 当初見せていた偽りの優しさは完全に消え失せ、義母は私を瞬たりとも界からそうとしなかった。々の買い物にすら必ず同し、私が部と自由に連絡を取ることを徹底に制限した。 週に度、義母の同伴で精神科のカウンセリングへ通わされたが、私が医師に「あの夜、確かにの男がいた」と証言するたび、隣に座る義母は骨に嫌になり、帰りの内で「聞き飽きたわよ! 過のことばかり言ってないで、正彦のためにを向きなさい!」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: