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"深夜の義実家" 第9話

翌朝、義母は何わぬ顔で、いつものように果物の籠を携えて病へとやってきた。 「おはよう、あずささん。顔し良くなったみたいね」 穏やかな微笑みを浮かべる義母に対し、私はベッドからまっすぐにその目を射抜いた。 「お母さん。昨、休憩で警察の方とお話しされていた内容……全部聞こえていました」

義母のが止まり、籠を置くカサリという音が響いた。 次の瞬、義母の顔から切の笑みが抜け落ちた。これまでの度も見たことのない、え切った、爬虫類のような瞳で私を睨みつけてきた。 「……そう。聞いていたの」 く濁った声だった。 「あずささんはらないでしょうけど、あれは私の偽らざる本よ。正彦から何度もの無があったのは紛れもない事実なんだから」 「嘘です! 命保険のことなんて、私には全くに覚えがありません! の収支はすべて私が管理していますし、正彦のお遣いの範囲で支払えるような保険料の額ではないはずです!」

に抗弁する私を見ろし、義母は嘲笑するように角を歪めた。 「あら、を切るつもりなの? あなた以に、体誰が正彦に額の命保険を掛けるっていうのよ。保険詐欺はな犯罪よ。あなたが今すぐ自首するというのなら、警察まで付きってあげてもいいわよ?」

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「自首なんてしません! 私は何もやっていないんですから!」 「じゃあ、に誰がそんな真似をするのよ!?」

義母の鋭い詰問に、私は言葉を詰まらせた。 客観な状況だけを見れば、受取である私が最も疑われるにあるのはだった。私の言葉など、誰も信じてはくれない。 やがて、義母が呼んだのか、再び病に警察官が姿を現した。 「あずささん、せる範囲でいいですから、事故当夜のことをもう度話してください。本当に潔だと言うなら、隠さずに話すべきです」

私は藁にもすがるいで、あの見た事実をありのままに訴えた。 「あの夜、夫が血相を変えて私を起こしたんです! に乗せられて逃げる途、サイドミラー越しに、義実の玄関先に黒いを着たの男がっているのを見ました! 夫はその男たちに怯えて逃げようとしていたんです!」 しかし、私の必の訴えに対し、義母はわざとらしくい溜息をついて首を振った。 「刑事さん、あの、私のにいたのは正彦とあずささんのきりですよ。夜に突然が錯乱してしていったんです。男がいただなんて……覚でも見ていたんじゃないかしら? それとも、そういう半グレのような筋の方々と普段からお付きいがあるお仕事なのかしらねぇ。よくそういう連と揉めて逮捕されたってニュースがあるじゃない」

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義母の言葉に、警察官たちは納得したように頷いた。 事故直に受けさせられた薬物やアルコールの検査はいずれも性だったが、警察は「夜の錯乱状態によるパニック」として片付けようとしていた。夫がした真の理由である「謎の組」について捜査してほしいと何度懇願しても、警察は義母の「そんな男たちは見ていない」という証言ばかりをんじ、私の言葉を精神錯乱者の妄言として退けた。 そして数、正彦が危険運転致傷の容疑で類送検される方針であると告げられたのだった。

やがて、私の退院が決定した。 警察の捜査は完全に滞し、夫は相変わらずのまま面会謝絶が続いていた。 退院処として、私は以のように都内のビジネスホテルを予約しようとスマートフォンを操作していた。その画面をろから覗き込んだ義母が、わざとらしい呆れ顔で舌打ちをした。 「まったく、帰るがないっていうのも困ったものねぇ。退院直の体で、ホテル暮らしなんてろくに休養も取れないじゃない。やっぱり定するを持たないようなき方は良くないわよ」 「……今回の件で、私もしそういました。ホテル暮らしは健康であってこそできることです」 「そうでしょう? それなら、しばらくは私の実緒に暮らすのが筋というものよ」

背筋にや汗が流れた。

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