"深夜の義実家" 第4話
滞していた都内のホテルから義実までは、速を使って片約ののりだ。 内ではスマートフォンのスピーカーをオンにし、義母と賑やかに雑談を交わしながらをらせていた。 「お盆の期はどこにっても混雑しているからねぇ。あんたたちが帰省している週は、なんてしないでずっとを取ってのでゆっくり過ごしましょう。私はあんたたちと違って、あちこち歩くのは好きじゃないのよ。でもを空けるなんて落ち着かなくて仕方がないんだから」 義母が楽しそうにそう語っていた、そのときだった。
――ピンポーン。
スピーカー越しに、義実の玄関の呼び鈴が鳴り響くのがはっきりと聞こえた。 「あら、珍しいわね。うちに来客だなんて……お盆だというのに。ああ、たぶんお隣のおばあちゃんだわ。庭菜園の野菜を分けてくれるって約束していたのよ。今の野菜は来が良くて美しいらしいから。それじゃあ、気をつけていらっしゃいね」 そう言って、義母は方に話を切った。 平の昼に義実へ客が来ることなど滅にないため、珍しいこともあるものだと正彦と顔を見わせながら、私たちはそのままをらせ続けた。
それから義母からの折り返しの連絡はなかったが、予定通りほどで義実の敷内に到着した。
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を庭の駐スペースに止めると、引き戸をけて義母が勢いよくびしてきた。 「お母さん、お久しぶりです!」 私がからりて笑顔で会釈すると、義母はぱっとを振り返した。 「ちょうど今、お客さんが帰ったところなのよ。さあさあ、あんたたちもくにがりなさい」 靴を脱いでがると、客の座卓には確かに誰かが訪れていた痕跡があり、お茶をみ干したの湯呑みが客、綺麗に並べられていた。
リビングに通されると、正彦が仏壇の方を指差してをいた。 「母さん、まず父さんに線をあげてきていいか?」 だが、義母は慌てて正彦の肩を押しとどめるようにして割って入った。 「ちょっと待ちなさいよ。とりあえずたいお茶でも淹れるから。あんたたち、もを運転して疲れているんでしょう? お線なんて回しでいいのよ。これから週も滞するんだから、お父さんへの線なんてあげ放題なんだからね」 義母はにまくしたて、蔵庫から麦茶のピッチャーを取りした。 「んだお父さんのことよりも、まずは自分たちの体を休めることを優先しなさい。それと、私のことももっと気遣ってちょうだいね」
冗談交じりの調ではあったが、どこか自然な焦りが滲んでいるようにじられた。私は居てもってもいられず、ちがって台所へ向かった。
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「お母さん、何かお伝いします」 「いいのいいの! あずささんは子に座って待っていなさい」 義母は私のを制し、居へと押し戻した。 「事を伝ってもらうのはからよ。実はね、きな荷物の片付けを伝ってほしいのよ」 義母が線を向けた先には、季の入った婚礼箪笥や、義父がにプレゼントしてくれたという派なドレッサーが置かれていた。 「お父さんがくなってから、のを理しようと決めたの。でもね……これらを見ていると、どうしてもお父さんのの姿をいして辛くなってしまってね」 義母の瞳にじわりと涙が浮かんだ。すっかりち直ったものとっていたが、やはりきりの活のでい喪失を抱えていたのだ。 「傷に浸るつもりはないんだけど、いを切に取っておきたい反面、を向くためには忘れなきゃいけないこともいとうの。だからこれ、質さんに引き取ってもらうつもりなのよ。お父さんがなかなかの値段で買ったものだからね」
からは本格な片付け作業が待っている。 旅の疲れもあった私たちは、その夜はめに休むことにした。割り当てられた寝は、正彦が実をるまで使っていた昔の子供部だった。客のすぐ隣に位置するだ。 畳のに布団を敷き、横になった。
付を跨いだ頃だっただろうか。