"深夜の義実家" 第2話
私がインフルエンサーという仕事を始めた当初から猛反対を続けており、顔をわせるたびに「にのついた定した職業に就きなさい」と苦言を呈してくる。両親は絵に描いたような堅物で、インターネットを介した仕事など浮ついたものにしか見えないらしかった。 私はこの仕事に誇りと着を持っていたため、両親の説教にを貸す気には到底なれなかった。その結果、両親との折りいはを追うごとに悪化し、実に顔をすこと自体がひどく億劫になっていたのだ。
そんな息苦しさを抱えていた期に、の事務所の紹介でりったのが正彦だった。彼との交際は順調にみ、やがて結婚を識し始めるようになった。 正彦からプロポーズを受け、私たちは結婚の挨拶をするために私の実を訪れた。当、正彦が名IT企業に勤める会社員だと伝えたとき、私の両親は泣いてぶだろうとをくくっていた。しかし、待っていたのはにもややかな反応だった。
「結婚するのなら、あずささんは仕事を辞めて専業主婦になりなさい。夫のために庭を守るのが主婦の務めです。して帰ってこられるがあってこそ、は幸せになれるのよ。それが嫌なら、もっと別の堅実な仕事に就きなさい」 母はたく言い放ち、父も無言で頷いていた。
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隣でそれを聞いていた正彦は、私のを気遣い、結婚当初は両親の向に沿う形で般な活を送ろうとしてくれた。賃貸マンションを借り、私は主婦業をこなしながら控えめに発信活を続ける。両親は、私を「まともな活」に引き戻してくれた正彦のことを層気に入っていた。
だが、そんな枠にはまった暮らしがく続くはずもなかった。 毎同じ所で、事と制限された常をこなすうちに、私のに鬱屈とした平満が澱のように溜まっていった。このままでは自分が自分でなくなってしまう。 ある、ついに私のは限界を迎えて爆発した。 「もう婚しましょう。こんな自由のない活、私には耐えられない!」 涙ながらに本をぶちまけた私に対し、正彦は驚くべき反応を見せた。嫌な顔をするどころか、満面の笑みを浮かべたのだ。
「やっぱり、あずさには自由が必だよな」 唐突な笑顔に、私は瞬呆然とした。婚わずかヶで私はバツイチになってしまうのかとを抱えかけたそのとき、正彦は私の両肩にそっとを置き、真剣な差しで続けた。 「あずさのために、俺も肌脱ごうってずっと考えていたんだよね」 翌、正彦は本当にを起こした。勤めていた会社へ迷わず辞表を提し、脱サラを宣言したのだ。
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「俺のエンジニアの仕事なら、パソコン台あればフリーランスでも分にやっていける。これからはあずさの旅のサポートを全力でするよ。世界、どこへでも緒にこう」
その言葉を聞いた瞬、私の目からは粒の涙が溢れた。それは私にとって、実質な度目のプロポーズだった。 私たちはすぐにんでいたマンションを解約して財を売り払い、本国内や世界を旅しながら活拠点を転々とする暮らしへと舵を切った。 当然、その事実をった私の両親との関係は修復能なほどに悪化した。母からは激しいりの話がかかり、やがて着信拒否に設定され、現に至るまで完全に疎な状態が続いている。
私の両親がそこまで激したのだから、正彦の両親――義理の父母も、私たちの変わりな活をれば呆れ返り、猛反対するだろうと覚悟していた。 だが、事態は私の予をきく裏切った。義両親は私たちの放浪活に対して、驚くほどの理解を示してくれたのだ。 特に義母の貴子は、私たちの暮らしぶりを写真で見せるたび、「自由で羨ましいわねぇ」と目を細めて笑っていた。義母は昔からかなりの放任主義者だったらしく、正彦自も学代からも私活も何つしされず、自由に育てられたという。
厳格な両親の言いなりで勉ばかりをいられてきた私のいちとは、まるで正反対だった。