"消えた交換手と鳴らなかった電話" 第17話
町は古い支の調査を始めた。すでにくなった片桐を裁くことはできず、返も全額とはいかない。それでも虚偽の納入記録があったことと、澄子が調査を続けていたことを広報誌で公表する方針を決めた。母が男と逃げたという噂を訂正するにはすぎる原稿だったため、枝は自分の名で記者へ説を続けた。
町の広報に訂正が載る直、片桐の息子が枝へをした。父のしたことが公になるのを恐れ、最初は資料の公を止めようとしたといてある。しかし、与袋を見つけてから父が晩に残した域への寄付まで調べたところ、正で得たを返した形跡はなかった。寄付をした事実で民が奪われた灯油を埋めわせたことにはできない、と息子は自分で結論をした。
枝はに返事をした。母の失踪と燃料の正について、確認できたことだけをへす。息子の族まで同じ為をしたかのような言い方はしない。互いに族が残した傷へ向きうが、本の責任まで代わりに負うことはできない。そのい返事を投函してから、枝は初めて取材の録音をすべて文字に起こした。
記事がた、片桐の息子は町役で自分の父の名を見た。枝は同じ所で、母が失踪者ではなく当の配達を調べた交換として記録されているのを見た。
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の噂は面枚で消えないが、公な頁をけば、なくとも別の記述を読むことができるようになった。
その夜、枝は京の図館へ戻り、カウンターでの集落について古い聞を探しに来たへ、所蔵所を案内した。普段どおりの仕事なのに、記録がそこにあることのさが変わってじられた。誰かがどこかへ残したが、何かのの問いを支える。母が残した勤務簿も、同じように娘をここまで連れてきたのだ。
母との再会、枝は相談員の団体をもう度訪ねた。古い会報を保していた担当者は、昭50に灯油の記事をした際、町から訂正を求めるが届いていたと話した。差は役の名で、片桐の署名がある。《民からの申告は誤解に基づく》と記され、調査結果は付いていない。
担当者は反論記事をこうとしたが、申告したの名を公にすることはできず、証拠もに入らなかった。澄子は翌、配達簿の写しを送ると伝えていたが、町から姿を消し、連絡が途絶えたという。枝は、母がいた伝言の刻を見て、宿から聞社へ資料を送ったのだと気づいた。複数へ声を届けようとした母の作業が、本ずつ途で止まっている。
今回は当事者の許を取った証言と配達簿があった。
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枝は団体へその写しを渡し、どのが公を望まないかもき添えた。担当者は次号に調査経過を載せると約束した。町の広報と別の所へ記録を残せば、つの机で握りつぶされても全部は消えない。
清は、妻の言い分が公になれば自分の名も偽造された受領印としてると聞き、自ら町の会議へると言った。枝は、父へそので過を語らせる必はないと伝えた。しかし清は、名を利用された側であるだけでなく、控えを隠した側でもあると答えた。彼が自分で席に座るなら、枝は止めなかった。
会議で清は、配送にを貸したとそうでないを区別して話した。自分の名のある控えのうち件は配達にっていない、と証言し、灯油缶の蓋から見つかったも提した。若い職員が質問するたび、曖昧なところは分からないと言った。娘に向けた言い訳をねずに座り続ける父を、枝は会議のろから見ていた。
片桐の息子も同じ席にいた。父の与袋を差しし、を受け取っていた記録を自分で確認したと説した。そのとき初がちがり、夫が役で「配達済み」と言われた夜のことを話した。会議は互いを罰するためのから、残った資料に誰の暮らしが記録されていたかを確かめるへしずつ変わった。
翌、枝は潟の澄子へ会議の内容を話で伝えた。