"入学式の日、愛人を選んだ夫への「お祝い」" 第9話
健吾の活が困窮し始めたのを見限り、彼女はマッチングアプリでりった自称「ITベンチャー役員」の代の男に乗り換え、健吾の部から持ちしたで派に着飾って男の部へ転がり込んでいたのだ。
「健吾のバカ、今頃あの赤ん坊抱えて泣きわめいてるんじゃないかしら。ざまあみろだわ」
泡のつシャンパングラスを傾け、リビングの窓から見ろす京の夜景に酔いしれていた瑠奈。 しかし、その豪奢な活は、わずか週で脆くも瓦解した。
あるの昼がり、男の部に数の屈な男たちがで押し入ってきたのだ。 自称IT役員の正体は、無登録の融を営む詐欺グループの主犯格であり、警庁組織犯罪対策部の内偵を受けていた男だった。
「きゃあああっ! な、何なのあなたたち!?」
鳴をげる瑠奈のに、警察帳を掲げた捜査員がちはだかる。 男はそので錠をかけられ、部のの貴属や級ブランド品は、犯罪収益の証拠品として次々と押収袋に詰められていった。 瑠奈が健吾の部から持ち逃げした現やバッグも、すべて男の資産と混同され、そので没収された。
さらに追い打ちをかけるように、警察の取り調べので、瑠奈が健吾との倫関係において会社の経費流用に加担していた事実が浮した。
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青葉病院の弁護士から、瑠奈の現所を突き止めたで、真正連帯債務者としての慰謝料百万円の請求通が、留置をたばかりの瑠奈の元に内容証で叩きつけられたのだ。
「百万……!? なんで私がそんなを払わなきゃいけないのよ! 健吾に請求しなさいよ!」
弁護士の事務所に鳴り込んできた瑠奈に対し、は眉つかさずに告げた。
「法には、貞為の共同法為者として、あなたにも全額の支払い義務があります。健吾氏はすでに無職・無文であり、破産続きの準備に入っていますからね。回収の矛先があなたに向くのは当然の法理ですよ」
ぐるみを剥がされ、む所も失い、額の借だけを背負わされた瑠奈。 かつて奪ったの幸福の代償は、彼女自のを骨の髄までい破る形で請求されたのだった。
それから、の歳が流れた。
の清らかな青空の、学の庭には、卒業証をにした子どもたちのれやかな笑顔が溢れていた。
「ママ、おばあちゃん! 見て、卒業証もらったよ!」
歳になった美が、紺の清楚な袴姿で駆け寄ってきた。 、赤のランドセルをさく背負っていた女は、今や私の背丈に届くほどにすくすくと成し、その瞳には聡で真っ直ぐなが宿っていた。
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「おめでとう、美ちゃん。本当によく頑張ったわね」
隣につ義母――富美子は、目尻に涙を浮かべながら、美の肩を優しく抱きしめた。 義母の髪にはしいものが増えていたが、背筋は凛と伸び、品な藤の着物がのによく映えていた。
健吾がいなくなってからの、私たちの活は驚くほど穏やかで、幸福に満ちていた。 私がフルタイムの護師として復職し、師へと昇する、義母は本当の母親以に親になって美の面倒を見てくれた。 邪を引いたの病、学の送り迎え、お弁当の準備。 「この子の父親が犯した罪を、私がしでも埋めわせられるなら」と言って、義母は無償のを美に注ぎ続けてくれたのだ。
健吾からの養育費は、解雇されてからかで完全に途絶えていた。 だが、弁護士の腕により、健吾が隠し持っていたわずかな命保険の解約返戻や、実の父親から分与されていた休眠座の預が制執によって差し押さえられ、美の学・の学費として分な額が私の元に確保されていた。
をて、で予約していた老舗の料亭へ向かうすがら、美がふと私のを握ってきた。
「ママ。……私ね、パパのこと、全然んでないよ」
「美……」
「だって、パパがいなくなったおかげで、ママとおばあちゃんとで、ずっと仲良く暮らせたんだもん。
パパがいた頃より、ずっとずっと今の方が幸せだよ」