"結婚初夜の義父不倫と20年目の毒殺計画" 第22話
しかも付は、彼女がくなった当の夜になっている」
私の臓がドクンときくねた。
「母さんの……」
神崎弁護士は促した。
「はまだ未封だ。ひろし君、今すぐ署に戻ってきてくれ。ひょっとすると々は、20の事件の番切なことを見落としているのかもしれない」
復讐は終わったはずだった。
しかし、20のを超えて現れた母からの最のが、私の運命をもう度きく揺るがそうとしていた。
警庁のにある証拠品保管。
無質な蛍灯のに照らされたたい机の。
神崎弁護士がそっと差ししたのは、すっかり茶く変した古い封筒だった。
神崎弁護士が言った。
「源蔵さんの寝にあった隠し庫の底に入っていたそうだ。宛名は君になっている」
私は震えるでその封筒を受け取った。
跡には違いなく、私の母、百子の優しく丸みを帯びた文字で『するひろしへ』とかれている。
そしてには、母の便箋のにもう枚、父、源蔵の乱れい文字でかれたが同封されていた。
私はまず、父の遺とも呼べるそのメモをいた。
そこにかれていたな物である父の真に、私はわず息をんだ。
『ひろしへ。これをおが読んでいるということは、私はもうこの世にはいないのだろう』
メモは続いていた。
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『私は伊達に会社の横領を握られ、脅されていた。警察にく勇気もない、卑怯な虫だった』
『おは本当に何の取り柄もない無能な息子だ、甲斐性なしの能なしだ。私が毎おにそう言って罵倒し続けたのは、おが私を憎み、もくこの呪われたから逃げしてくれることを願っていたからだ。おを伊達の標にさせないための、せめてもの親だった』
『だがおは逃げなかった。私のそばでずっと愚かな息子を演じ続けてくれたな。すまなかった。おのを歪めてしまったのは、全て私のさだ』
最にこうかれていた。
『母さんのを読んでやってくれ。父さん』
私は声にならない声を漏らした。
私を虐げ、私を憎んでいるとばかりっていた父の侮辱のセリフ。
それは、器用で臆病な父なりの、私を裏社会のからざけるためのしい芝居だったのだ。
私はの震えを抑えきれないまま、続けて母の便箋をゆっくりといた。
そこには、20の私の復讐の根底を覆す、衝撃の逆転となる真実が綴られていた。
『するひろしへ。あなたがこのを読んでいる、私はもうあなたの側にはいられません』
『お父さんをまないでね。お父さんが私を殺したわけじゃないの。私は、伊達さんがお父さんを脅迫していることに気づいていました。
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伊達さんは狂気に取り憑かれていて、さゆりがななければ息子のひろしを殺すと、私に恐ろしい宣告をしてきたの』
『だから私は自分で決めたのよ。院の病院から、密かにあの薬を持ちしました。お父さんが仕事にっているに、自分でんで病に見せかけるつもりです』
『ひろし。あなたは昔から優しくてし泣き虫だけど、誰よりもが温かい子。復讐なんて考えちゃだめよ。あなたはただ、あなた自の幸せのために、太陽のを堂々と歩いてきていきなさい』
『あなたは、お母さんのたったつの希望です。あなたの未来が温かいに包まれますように。ずっとずっとしています』
文字のところに、滴が落ちて滲んだ跡があった。
母は幼い私を残していく恐怖としみので、私を守るために自らその命を絶ったのだ。
「ああ……ああ……」
喉の奥から、言葉にならない嗚咽が込みげてきた。
私は便箋を胸にく抱きしめた。
そのに膝から崩れ落ちた。
そして、そのままい主公の沈黙に沈んだ。
りも憎しみも復讐の狂気も、全てが母のいのに溶けていく。
ただ静かに静かに、私の目から粒の涙が溢れし、たいを濡らしていった。
20、度も泣かないとに誓い、酷なマシーンのようにきてきた私。
そのの氷が、母の温かいによってゆっくりと溶かされていくのが分かった。
神崎弁護士も、側にいた川刑事も、誰として声をかけることはなかった。