"結婚初夜の義父不倫と20年目の毒殺計画" 第1話
「ああ、義父さん、そこだめ」
午2。
静まり返った居の廊に響いたのは、数に今は理だからと私をたくあしらったはずの妻の甘い声だった。
しかも、その声は私の父の寝から漏れ聞こえてくる。
だが、この暗ので楽に溺れるはらなかった。
ドアの向こうで静かにち尽くす私が、この醜悪な裏切りを獄の底まで叩き落とすある仕掛けを、すでに発させていることなど。
私の名はひろし。
齢は35歳。
堅の械メーカーで営業として働く、ごく平凡なサラリーマンだ。
そして今、私はで最も幸せなを迎えるはずだった。
さやかは純のウェディングドレスにを包み、参列者ので使のような微笑みを浮かべていた。
彼女が今から私の妻となったさやかだ。
さやかは28歳。
私の取引先の受付をしており、その憐な容姿と誰にでも気配りができる優しい性格に惹かれ、私からのアプローチの末に交際がスタートした。
さやかは私を見つめて微笑んだ。
「ひろしさん、とっても素敵な結婚式だったわね。私、本当に幸せよ」
私たちの居は、私の実である古くからのきな本だ。
私の父、源蔵は68歳。
代で築きげた産会社を数に売却し、現は莫な資産を持ちながら悠々自適の隠居活を送っている。
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母は私が学の頃に界しており、父はずっと暮らしだった。
結婚が決まった、さやかは私に顔を寄せて言った。
「お義父さんを広いでのままにしておくなんて配だわ。私たちで緒にんでお世話しましょうよ」
同居を提案してくれたのは、さやかの方だった。
現代の若い女性が義父との同居を自ら申してくれるなんて。
披宴の席でも、親戚たちはさやかを見て嘆の声をげた。
「ひろしにはもったいないくらいよくできたお嫁さんだ」
私は親戚たちの言葉にく頷いた。
私はさやかの底れぬ優しさにし、彼女を切にしようとに誓ったのだった。
しかし、盛な披宴と次会を終え、夜の11を回った頃。
実である居の2階にある私たちの寝できりになった瞬、さやかの態度は豹変した。
私はする妻の肩を抱き寄せようと、そっとを伸ばした。
「さやか、今は本当に疲れたね。でもやっとこれで正式な夫婦だ」
バシッ。
乾いた音が寝に響いた。
さやかが私のをいきりく払いのけたのだ。
私は驚いて彼女の顔を見た。
「ええ?」
さっきまでの使のような笑顔はどこにもなかった。
まるで端の汚物でも見るかのような酷な線が、私を射抜いていた。
さやかは私を睨みつけた。
「ちょっと、気く触らないでよ。
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疲れてるって言ってるでしょう」
私は戸惑いながらを引っ込めた。
「あ、ごめん。でも今は私たちの初夜……」
さやかはでふんと笑い、忌々しそうに吐き捨てた。
「は、初夜?気持ち悪いこと言わないでよ」
さやかは私から距を取った。
「それに今は理なのだから、そういうの絶対に無理。分かった?あなたの相なんかしてる余裕ないのよ。なんか汗臭いし、こっちにづかないで」
あまりのトゲトゲしい言葉に、私は言葉を失った。
数、勢のゲストので見せていたあの憐な笑顔は体何だったのか。
戸惑いとしみが胸で渦巻いた。
だが、確かに今は朝から準備で慌ただしく、彼女も限界まで疲れているのだろう。
私は何も言い返すことができず、ただ無言で自分にそう言い聞かせるしかなかった。
私は背を向けた。
「分かった。無理言ってごめん。ゆっくり休んで」
私はダブルベッドの端でさくなって目を閉じた。
で番幸せなはずの結婚初夜は、苦しい沈黙とい孤独ので幕を閉じたのだった。
ふと、烈な喉の渇きを覚えて目を覚ました。
私は枕元の計を見た。
午2をし回ったところだった。
私は隣を見た。
いるはずのさやかの姿がない。
トイレだろうか。
私は寝ぼけを擦りながらベッドをりた。
をもうと、1階のキッチンへ向かうために廊へた。
しんと静まり返ったきな。
柱計のカチコチという音だけが響く、きしむ廊を歩いていた。