"50億を消した傲慢行員の末路" 第37話
「あの鈴という員は、本付けで懲戒解雇の続きに入りました。若葉町支も来を持って閉鎖いたします。私自もすべての責任を取り、職をる覚悟でございます。どうか、どうかこれ以の取引止だけは……当の関連企業への響だけは、ご容赦いただけないでしょうか……!」
田は再びに顔を押し当てた。専務もまた、苦渋に満ちた顔でくを垂れている。彼らが守りたいのは、の信用と数字だ。50億円の引きげだけでなく、田グループに関連する何百という受け企業が斉につ葉から資を移し替えている。その連鎖な信用は、メガバンクの台骨すら揺がしかねない巨なうねりとなっていた。
私はローテーブルのに置かれた分い類の束に目を落とした。全座資移依頼と、印鑑が用した正式な類だ。 私は懐から、使い込まれた古い布の印鑑ケースを取りした。もう40もに、妻の子が縫いで作ってくれたものだった。しあせて端の方ほれているが、私にとってはどんな級なブランド物よりも価値のある宝物だった。
「田さん、顔をげてください」 私が言うと、田は涙とで顔をぐしゃぐしゃにしながら顔をげた。 「私はね、50、あなた方の若葉町支点で初めてこの印鑑を使いました。
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当の吉田支が、学歴もない、実績もない私のだらけのを握って、『あなたの性に投資する』と言ってくださったあののことは、昨のことのように鮮に覚えてます」
私はケースからしかけた製の印鑑を取りした。 「吉田さんは私にこう教えてくれました。『の庫には、ただのお札が入っているわけではない。そこにはで汗垂らして働く々の血と涙と、族のためののが詰まっているんだ』と」
田の目がはっときく見かれた。 「員とは、その切なのみを預かる仕事だ。そう教わったからこそ、私は50、あの支に恩をじ、切な資を預け続けてきました」
私は静かに田の目を見据えた。 「しかし、あの鈴という若い員はどうでしたか? 彼が見ていたのは、私の着ていた古い作業と『卒』という学歴という表面な記号だけでした。彼は自分より条件が劣っていると判断したを底辺だと見し、嘲笑した」
田の喉からうめきような音が漏れた。 「田さん、あなたは支として、彼に何を教えてきたのですか? 預残という数字の取り方は教えたのでしょう。しかし、その数字の裏にあるののさを、なぜ教えなかったのですか?」
私の問いかけに、田は両で顔を覆い、子供のように声をげて泣き崩れた。
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「申し訳ありません……おっしゃる通りです。私は波をてず、層部の顔だけを伺い、数字さえ取ってくるいいと教育を放棄していました。として1番切なことを教える責任を完全に放棄していました……私の、私の罪です……!」
田の慟哭が部に響き渡る。彼は自分のことなかれ主義が部のを歪ませ、結果として何もの部のを破壊してしまったことに、底打ちのめされていた。
私はそれ以彼を責めることはしなかった。ただ静かにテーブルのの解約類に目を向け、朱肉に印鑑を押し当てた。 ――トン。 静かな部に、印を乾かす乾いた音が響く。すべての類の所定の位置に、50使ってきた赤い印が刻まれていく。
最の1枚に印を押し終えた、私のでく続いてきた1つの代が完全に終わりを告げたような気がした。 「これで続きはすべて完ですね」
私は印鑑を子が作くれたケースに戻し、類を専務のに滑らせた。 「専務、私はあなた方に復讐をしたいわけではありません。関連企業が座を移しているのは、私から制したのではなく、彼ら自が『を見すとは付きえない』と判断した結果です。信用とは、そういうものです」
私はゆっくりとちがった。 「もうお引き取りください。これ以お話することはありません」
私が背を向け、窓ののの景を見つめると、背で膝擦りの音がした。