"50億を消した傲慢行員の末路" 第35話
鈴に見され、に切れのように切り捨てられた彼女たちのを救いげたのは、鈴が最も見していた作業の老だったのだ。
方、その頃、田誠本は、都のれにある築50以の古びた造アパートのにっていた。には級なメロンの入った箱がげられている。
「会、元が悪うございます」 随してきた若い秘が傘を差しかけるが、私はそれをで制した。 「いいんだ。ここは私が1でく」
私はゆっくりと朽ちかけた鉄の階段を登り、2階の1番奥の部のインターホンを押した。 「はい、どちら様ですか?」 ドア越しに聞こえてきたのは、ひどく掠れて老いた男の声だった。
「渡辺さん。誠です、田誠です。ごぶさたしております」
私がそう言うと、ドアの向こうでガタッと何かが落ちる音がした。やがてチェーンがされ、ゆっくりといドアがいた。 そこにっていたのは、すっかり腰が曲がり、髪が真っになった渡辺さんだった。
「田さん……嘘だろう……あの田さんか……?」
渡辺さんは信じられないものを見るように、しわくちゃので元を抑えた。部の奥からは、認症を患っているという奥様がそうにこちらを覗き込んでいる。
「渡辺さん、こんなところで何をなさっているんですか? 引退して田舎で悠々自適に暮らしていると聞いていたのに……」
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私の声はどうしても震えてしまった。
「ああ、いや……その、々あってな。恥ずかしいところを見せちまったな、田さん」 渡辺さんは無理に笑おうとしたが、その表は痛々しいほど疲弊していた。
「渡辺さん、あなたが3、つ葉の鈴という男に騙され、切な老の資に1000万円を失ったことは、すべてじております」 私がそう切りすと、渡辺さんははっと息をみ、力なく俯いた。
「けない話だよ……俺がバカだったんだ。あんなにもいかにもエリートでの良さそうな若者の言うことを完全に信じ込んじまって……女の病気のためにも増やそうとったのに、結果にこのまで放すことになっちまった……」
「あなたはバカなんかではありません!」 私はわず声をあげていた。 「を信じるの優しいあなたを、その融識の差につけ込んで騙したあの男が、そして保のためにそれを隠蔽したが、絶対に悪いのですよ!」
私はまみれでシワだらけの渡辺さんのを、両でしっかりと握りしめた。3、彼が私のを握ってくれたのように。 「渡辺さん、あの夜、あなたが嵐ので運んでくれた資材がなければ、今の私はありません。今度は私があなたを助ける番です」
私は懐から1枚の切を取りし、渡辺さんのに握らせた。
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「あの、あなたは『本の会社になったに利子つけて返してくれたらそれでいいからよ』と言ってくださいましたね。遅くなりましたが、3分の利子です」
渡辺さんが震えるで切を見ると、そこには騙し取られた2000万円を遥かに超える額が印字されていた。 さらに私は言葉を続けた。
「鈴とつ葉に対する詐欺の損害賠償請求は、がグループの顧問弁護士がすべて無償で引き受けます。彼らからあなたのおを必ず全額取り返します。そして奥様の治療には、がグループが提携する最の病院を配いたしました。もう何も配することはありません」
「田さん……ああ、ああ……!」 渡辺さんは私ののに顔を当て、子供のように声をげて泣き崩れた。 30誰にも頼れず、見栄や世体ではなく、ただきるために絶望ので耐え抜いてきた恩の涙が、私のにくこぼれ落ちていく。
社員15万。それは単なる数字ではない。その数字の背には、こうして誰かを助け、誰かに助けられながら必にきてきた名もなき々の、無数のがあるのだ。私はそのみを決して忘れない。
その数、渡辺さん夫婦の詐欺事件と、それを組織に隠蔽していた事実が、田グループの弁護士によってマスコミに斉にリークされた。
すでに逮捕されている鈴の容疑の裏付けとして、かぬ証拠が次々と世にさらされたのだ。