"50億を消した傲慢行員の末路" 第18話
全座資移依頼と、印鑑が用した正式な類だ。 私は懐から、使い込まれた古い布の印鑑ケースを取りした。もう40もに、妻の子が縫いで作ってくれたものだった。しあせて端の方ほれているが、私にとってはどんな級なブランド物よりも価値のある宝物だった。
「田さん、顔をげてください」 私が言うと、田は涙とで顔をぐしゃぐしゃにしながら顔をげた。 「私はね、50、あなた方の若葉町支点で初めてこの印鑑を使いました。当の吉田支が、学歴もない、実績もない私のだらけのを握って、『あなたの性に投資する』と言ってくださったあののことは、昨のことのように鮮に覚えてます」
私はケースからしかけた製の印鑑を取りした。 「吉田さんは私にこう教えてくれました。『の庫には、ただのお札が入っているわけではない。そこにはで汗垂らして働く々の血と涙と、族のためののが詰まっているんだ』と」
田の目がはっときく見かれた。 「員とは、その切なのみを預かる仕事だ。そう教わったからこそ、私は50、あの支に恩をじ、切な資を預け続けてきました」
私は静かに田の目を見据えた。 「しかし、あの鈴という若い員はどうでしたか? 彼が見ていたのは、私の着ていた古い作業と『卒』という学歴という表面な記号だけでした。
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彼は自分より条件が劣っていると判断したを底辺だと見し、嘲笑した」
田の喉からうめきような音が漏れた。 「田さん、あなたは支として、彼に何を教えてきたのですか? 預残という数字の取り方は教えたのでしょう。しかし、その数字の裏にあるののさを、なぜ教えなかったのですか?」
私の問いかけに、田は両で顔を覆い、子供のように声をげて泣き崩れた。 「申し訳ありません……おっしゃる通りです。私は波をてず、層部の顔だけを伺い、数字さえ取ってくればいいと教育を放棄していました。として1番切なことを教える責任を完全に放棄していました……私の、私の罪です……!」
田の慟哭が部に響き渡る。彼は自分のことなかれ主義が部のを歪ませ、結果として何もの部のを破壊してしまったことに、底打ちのめされていた。
私はそれ以彼を責めることはしなかった。ただ静かにテーブルのの解約類に目を向け、朱肉に印鑑を押し当てた。 ――トン。 静かな部に、印を乾かす乾いた音が響く。すべての類の所定の位置に、50使ってきた赤い印が刻まれていく。
最の1枚に印を押し終えた、私のでく続いてきた1つの代が完全に終わりを告げたような気がした。
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「これで続きはすべて完ですね」
私は印鑑を子が作くれたケースに戻し、類を専務のに滑らせた。 「専務、私はあなた方に復讐をしたいわけではありません。関連企業が座を移しているのは、私から制したのではなく、彼ら自が『を見すとは付きえない』と判断した結果です。信用とは、そういうものです」
私はゆっくりとちがった。 「もうお引き取りください。これ以お話することはありません」
私が背を向け、窓ののの景を見つめると、背で膝擦りの音がした。 「にわたり……誠にありがとうございました。当は決して今の戒めを忘れませぬ……!」
専務の絞りすような声と、くをげる気配。そしてい取りでドアに向かう2の音。 ドアが静かに閉まり、彼らがっていったも、私はしばらくのそのにち尽くしていた。りもしみもない。ただのにぽっかりといた穴を通り抜けるたいをじていた。
「会、お疲れ様でございました」
ふいに背のドアがき、第1秘の佐藤が静かな取りで入ってきた。彼のには、見慣れない茶い封筒が握られている。 「佐藤か。彼らは帰ったか」 「はい。エレベーターホールで田はっていられなくなり、専務の方を借りてお帰りになりました。
完全にが折れていらっしゃいました」