"50億を消した傲慢行員の末路" 第17話
「これで全てが終わるかもしれない……」 田グループの本社ビルに向かうので、専務は顔面蒼のままごとのように呟いていた。 彼らが迎える最も無惨で、遅すぎる結末が、すぐ目のまで迫っていた。
「会、つ葉の専務が1階のロビーで座をしております。警備員が何度ちがるよう促しても、泣き喚いて歩もこうとしません。警察を呼びますか?」
第1秘の佐藤がひどくやかな声で執務に報告にがってきた。 刻は午5。はすでに夕が迫り、層ビルの窓からは帰宅を急ぐ無数の々ののライトがの川のように流れているのが見える。
「国のメガバンクのトップがでジベタにいつくばるとはな……よほど追い詰められていると見える」 私は元の類から目をさず、静かにため息をついた。
数にマスコミにリークされた渡辺さん夫婦への詐欺事件との隠蔽作。その響は、彼らが像していた以に致命なものだった。株価は連ストップとなり、企業も個も斉に預を引きげ、つ葉は今、完全に資ショートの危、つまり倒産の淵にたされていた。
「警察は呼ばなくていい。執務に通しなさい。これが最の、最の会になるだろう」
私がそう告げると、佐藤はく礼し、に部をていった。
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10分、執務に通された専務の姿を見て、私はわず言葉を失いそうになった。 先、田支と共に謝罪に来たの、あのかろうじて保っていたエリートの威厳はすでに見じんも残っていなかった。級なオーダーメイドのスーツはシワだらけで、髪は乱れ、目のにはドス黒いクマが張り付いている。まるでたった数で10歳も20歳も老け込んだような、無惨な姿だった。
「田会……どうか、どうか私どもをお助けください……!」
専務は部に入るなり、ペルシャ絨毯のに文字通りを投げし、額を激しくになすりつけた。その隣では、若葉町支の支である田浩司が、まるで刑執を待つ罪のように刻みに肩を震わせながらひれ伏している。
窓のでは、まだたいがシトシトとり続いていた。部のは息が詰まるほどのい沈黙に支配されている。
私はソファにく腰掛けたまま、目ので座をする2を静かに見つめていた。元には、いつも通りのい緑茶が置かれている。
「をげてくださればいい、専務。田もね」 私が静かに声をかけると、2はビクッと体を振わせ、おずおずと顔をげた。
専務の顔には濃い疲労のが浮かび、田に至っては晩で10歳は老け込んだようにこけ、目のには真っ黒なクマができていた。
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「私のような卒でまみれの老に、のトップが座など似いませんよ」 私のその言葉は決して嫌のつもりではなかった。しかし彼らにとっては、何千本もの針でを刺されるよりも辛い響きを持っていたようだ。
田の目からポロポロと粒の涙がこぼれ落ちた。 「田会、本当に……何とお詫びを申しげれば良いか……。当の員が会に対してあのような許されざる暴言を吐き、挙句の果てに追い返すなど、員として、いやとしてあり得ません。すべては私の教育のき届きでございます……!」
田の痛切な声が、広い執務に響きわたる。 「あの鈴という員は、本付けで懲戒解雇の続きに入りました。若葉町支も来を持って閉鎖いたします。私自もすべての責任を取り、職をる覚悟でございます。どうか、どうかこれ以の取引止だけは……当の関連企業への響だけは、ご容赦いただけないでしょうか……!」
田は再びに顔を押し当てた。専務もまた、苦渋に満ちた顔でくを垂れている。彼らが守りたいのは、の信用と数字だ。50億円の引きげだけでなく、田グループに関連する何百という受け企業が斉につ葉から資を移し替えている。その連鎖な信用は、メガバンクの台骨すら揺がしかねない巨なうねりとなっていた。
私はローテーブルのに置かれた分い類の束に目を落とした。