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"50億を消した傲慢行員の末路" 第2話

れた通りには、控えめなエンジン音を忍ばせた撫でやかな黒塗りのが静かにしていた。それは、鈴たち員からは角になる位置だった。

「すまないね、佐藤。こんな気の、迎えにさせてしまって」 「とんでもございません。会のお供は私の務めでございます。しかし……しお疲れのご様子ですが、で何かトラブルでもありましたか?」

佐藤の鋭い観察は、私の顔のわずかな変化をも見逃していなかった。彼は普段は物腰の柔らかい男だが、仕事においては恐ろしいほどに徹で能だった。

私はへと乗り込みながら、静かに答えた。 「いや、トラブルというほどの層なことじゃない。ただ……」

佐藤が運転席からバックミラー越しに私を見る。 「若葉町支にある私の座、全15件。あれをすべて今付けで解約することにした。あそこの窓で断られてしまったからね。君にあと処理を頼んでもいいだろうか」

私がそう告げた瞬内の空気がふっと引き締まった。佐藤は瞬だけ目を見いたが、すぐにいつもの静な表に戻った。しかし、彼を見続けてきた私にはよく分かった。彼のの奥底で、静かな、しかし確実なりのが灯ったことが。

「あの15座をすべて、ですか……。様でございますか。事は推してるべしですね」

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佐藤はそれ以、余計な詮索をしなかった。ただ元のタブレットを操作する指先が、ほんのわずかにくガラス面を叩いていた。 「すぐに専のチームをかします。つ葉の本には私から直接連絡を入れましょうか?」

「いや、それはしなくていい。窓の担当者から言われたのだ。『全部解約して、2度と来るな』とな。だから、その通りにするだけだ」 「承いたしました」

佐藤はうなずくと、どこかへ素いメッセージを送信した。このの私はまだ、その決定がもたらす響のきさを正確には予測していなかった。

私の乗ったが若葉町支の駐れて数分、佐藤のスマートフォンが静かに震えた。

「はい、佐藤です。ええ、そうです。若葉町支の全座、今すぐ解約続きをめてください。理由は本からのい指示です」

佐藤は淡々とした声で、グループの財務統括部へと厳な指示をしていた。その横顔は徹そのもので、としてのの欠片すら読み取れない。しかし、その指示の内容は、方支にとっては確実に「刑宣告」に等しいものだった。

「はい。資の移先はすでに打ちわせ通り、メインバンクである央第の特別座へ全額です。即でお願いします」

通話を終えた佐藤は、ふうとさく息を吐き、バックミラー越しに私を見た。

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「会、財務部がしました。本の午3までには、若葉町支からの全資の引きげが完します。総額で、およそ50億円になります」

「50億か……随分と、あの支に寝かせていたものだな」

私は窓のを流れる見慣れた町の景を見つめながら、ぽつりと呟いた。 「はい。若葉町支の預のおよそ4割に相当する額です。これが気に抜ければ、あの支の資繰りは完全にショートします。本当に、よろしいのですか?」

佐藤の問いかけに、私は静かに頷いた。 「ああ。私が預けていたのは、あの所への謝だった。だが、謝を受け取るべきがあそこにもうないのであれば、おを置いておくもない。それに、あの窓の若者が言ったのだ。『2度と来るな』とね。鈴と申したか?」

佐藤の声が1段くなった。 「調べておきましょう。彼がどういうで、どういう経緯であの窓に座っているのか。そして、支田という男についても――」

「佐藤、あまり彼らを追い詰めるような真似はしなくていい。私はただ、縁を切るだけだ」 私がそう釘を刺すと、佐藤はさくげた。

「承しております。しかし、会にそのような無礼を働いた者……私個として、そのまま過することはできません。報収集だけはさせてください」

彼の忠誠さは、として恐ろしいほどだった。

私はそれ以止めることはせず、静かに目を閉じた。

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