"井戸の謎と、睡眠薬入りの水" 第12話
に叩き込んだを順序よくんでいく。幹線から本入った静かな通りにたところで、に紺の文字で施設がかれた板が界に入った。
派はないが、やけにった観だ。病院ともいわゆる老ホームとも違う。
ここね。
敷内の駐へを滑り込ませる。ブレーキを踏み込むといしたように臓がきく音をて始めた。
着いたわ。
エンジンを切るが震えている。りと焦りとがまだ体の奥で渦を巻いていた。それでもをり、正面入りのにつ。に面してていた板と同じいの板に線をわせる。
『期滞活支援リハビリ補助』
やっぱりだわ。
胸の奥で何かが確信に変わった。なくとも勇気の言ったような話ではない。認症なんて嘘っぱちだ。ここはそういう施設じゃない。
呟いて自ドアをくぐる。微かに漂う消毒液の匂いと、分に温められた空気。ふっと息をついた瞬、受付カウンターにいた女性スタッフが顔をげた。
「こんばんは。本はどうされましたか?」 「こちらに昨、け太郎というものが入所していませんか? 夫なんです。面会のご希望で」
私が頷くと、彼女は端末を操作しながら言いにくそうに眉を寄せる。
「申し訳ありません。今の、すでに面会は終しておりまして……」
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「え、でも……えっ」
はっとして壁にかかった計に目をやった。刻はし過ぎている。
「あの、実は息子夫婦が私に何もらせず、夫をここに入れたようなんです。認症になったからと聞かされました。おかしいでしょ? ヶまで元気にしていたのに」 「認症ですか?」 「ええ、でもそれは息子夫婦の嘘だと分かっています。だからこそ会って確かめなくちゃ。だって私に嘘をついて施設に入れるなんて異常よ」
説が尻滅裂になり、これではいけないとうのにぽそぽそと話し続けてしまう。運転と図の暗記に全ての力を使い果たしていたようだ。
「あの、どうかお願いします。夫にわせてください」
もう力技と誠誠の懇願で押し通す以はない。私はくをげるが、分な気がした。今度は座に切り替えようとに膝をつく。しかしその瞬だった。
「あれあれ、美しいレディが座なんていけませんな」
受付の奥に伸びる廊から、すっとが現れる。
け太郎。
武将髭をやし、見たことのないパジャマを着ていたが、それは紛れもなくけ太郎だった。
よかった。
びと堵にわず声が漏れる。片膝ちとなり、彼の顔をじっと見つめた。け太郎の瞳もしっかりと私を捉えている。だが、帰ってきたのは予とは違う反応だった。
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「はて、私の名をよくごで……どこかでお会いしましたかな?」
うっ……!
目を見いて呆然とちがる。
「あなた、そんな嘘でしょ? 私よ、ジコよ。あなたの……」
歩、歩と駆け寄ろうとしただった。
「昨さん、何をふざけてるんですか? 奥様を困らせないでください」
受付の女性が呆れたように言う。それと同に、け太郎のがぴくりといた。あれは彼が笑うのをこらえている証拠だ。
「ちょっと……!」
私はく言い、け太郎の真正面へとたどり着く。
「このパジャマどうしたのよ。そうじゃない?」
めしそうに尋ねると、先に吹きしたのは受付の女性だった。
「らないんですね。『ふざけないでよ』って。さすが野さんの奥様、慣れてらっしゃる」 「さすがって、冗談ばっかりおっしゃるんですよ、普段から。妻は昔の決闘で痛めた傷を直すために湯治の旅にたとか言って……」
私とけ太郎はわず顔を見わせる。
「あの、それは事実です」 「え? 決闘じゃなくて湯治が?」
彼女は「ああ」と納得してから、自分の発言がツボに入ったのか、しばらく押し殺したようにで笑っていた。その様子をけ太郎が満げに眺めている。
鳴りつけるところだ。しかし今は予なことが起こりすぎた。先ほどのくだらない猿芝居をいすと無性に腹がち、私は彼を睨みつける。
「ん? どうした?」
「どうしたじゃないわよ! 私は今変ないをしてここに来たのよ。それをを煽るようなこと言って。あのね、勇気とカナさんが……」