"「貧乏男」の通帳に5億円" 第14話
謝っても、資はしない
姉がテーブルに置いたには、の説会のあとに送った訂正の文面が並んでいた。あかりホームから資を受けるという案内は事実ではなく、承諾を得ずに自分がいたものだと、はっきり記されている。
「送ったには、そのに連絡しました。会って説してほしいと言われた方には、あとから直接」
姉は携帯もした。私たちに送ってきていた訂正の報告だけでなく、相からの返信と、そののやり取りが残っていた。私は必な箇所を確かめ、を返した。
「2号は、正式にやめたの。内装の打ちわせにかかった費用も、自分で払った」
姉は鞄の持ちを膝のに揃えた。舗で組む予定だった相とは話がなくなり、今のの予約も減ったという。残ったの仕入れを絞り、自分で施術に入るを増やしていた。
「お客さんに聞かれるの。あの会社とは、もう何の関係もないんですかって」
私は黙って聞いた。蓮さんも、そこで姉を助ける言葉をさなかった。
「族だから最は何とかなるとってた。真帆なら、お母さんに言われたら折れるって」
姉が顔をげた。
「おがなさそうだとって、相沢さんを笑ったことも。私がするために、真帆の結婚をに見てた。ごめんなさい」
私は湯呑みにを添えた。ずっと聞きたかった言葉なのに、聞いた途端に全部が軽くなるわけではなかった。
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挨拶のにみ込んだ言葉も、話を切ったあとの疲れも、まだ覚えている。
「謝ってくれたことは、受け取る。でも、資はしない。それはこれからも変わらないよ」
「うん」
「また誰かに聞かれても、実は約束していたとか、私が止めただけとか、そういう説はしないで」
姉は首を横に振った。
「もう言わない。私が勝に言ったことだから」
蓮さんも、会社へ問いわせがあれば事実を答えると伝えた。姉はその返事を聞いて、くをげた。顔をげても、何かを貸してほしいとは言わなかった。
帰り際、姉は玄関で靴を履きながら、また連絡してもいいかと聞いた。私は、返事がすぐにできないもあるよと答えた。姉は分かったと言い、自分でドアをけた。
母と話したのは、そのだった。父から事に来ないかと連絡があり、私は蓮さんと相談してかけた。姉も同じ席にいたが、の話を私たちへ振ることはなかった。
母は料理を運び終えると、ったまま私を見た。
「理に恥をかかせるなって言ったでしょう。あなたたちが困っているのに、私は理のことばかりだった」
父が子を引くと、母は腰をろした。
「相沢さんのことも、収入やだけで決めつけて。真帆が選んだの話を、ちゃんと聞かなかった。ごめんなさい」
私は夫の横顔を見た。彼は母の言葉を最まで聞き、これからは自分たちにも直接確かめてほしいと答えた。
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父は箸を置いた。
「俺も、黙っていれば済むとっていた。真帆が何を嫌がっているか、聞こうとしなかったな」
それから母と姉にも線を向けた。
「2の暮らしは2が決める。内だからと、断ったをさせる話はもうしない」
私は、ありがとうと答えた。父の仕事の経験を持ちす必も、夫の通帳を見せる必もなかった。私たちの返事が、そのまま返事として扱われた。
事が終わる頃、母は次も必ず来てとは言わず、都がうにとにした。私は予定を見て連絡すると答えた。帰り、蓮さんと駅で温かいお茶を買い、歩きながらんだ。
それからも、姉のがすぐに元通りになったわけではない。姉自から、予約表に空きがあると聞くこともあった。それでも、その空きを私たちの資で埋める話には戻らなかった。
1の週末、事務所へ寄ると、奈々さんが封筒を抱えて待っていた。から取りしたのは、しい部の契約だった。
「今度は、自分で探して申し込んだんです。審査、通りました」