"「貧乏男」の通帳に5億円" 第3話
7棟の部と、120の名
あかりホームの事務所は、古いアパートの1階にあった。曜の朝、蓮さんと入ると、コピーの横で女性が類を揃えていた。
「森です。来てくださって助かります。今は、この内訳からお願いします」
机には元帳と領収が並んでいた。壁に貼られた図面は7棟分。蓮さんの会社が所するのは、そのうち1棟で、ほかは管理や借りげを引き受けているという。
「全部の賃が、会社の収入になるわけじゃないんですね」
「そうなんです。さんにお渡しする分も、同じ座を通るので」
森さんは座ごとの細を引き寄せた。蓮さんを含めて4の会社で、修繕担当とパートのがにると、事務所は彼女になるらしい。
最初の領収は、引っ越しの配に使った2万8000円だった。部番号は第あかり荘103。蓮さんが以、駅で若いに肉まんを渡していた姿をいした。
あの、私はしれた所にいた。蓮さんは話で空を確かめ、元のきなバッグを持ちげた。私に気づくと、漏りはもう丈夫かと先に聞いてくれた。
「この部、あの駅にいたの?」
「うん。今はくので働いてる」
それ以の事は聞かず、私は次の類へんだ。会社の業務でて替えた費用と、蓮さんが個に渡した支援が、別々のに記されていた。
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「会社の替分は、領収と承認を確認して精算しましょう。個で渡した分まで、会社が返す扱いにはできません」
「それを、代表にも言ってもらえます?」
森さんが笑い、蓮さんは首のろにをやった。私は今の残を確かめてから、古い替分を毎どこまで返せるか相談した。度に片づけようとして、料や賃の支払いを止めるわけにはいかない。
母に経理の話をすると、難しいことはいいから、と遮られることがかった。ここでは、私がに線を引く、2とも待っていた。
「会社にすおも、先に森さんと確認して。自分の財布で払えば済む、で終わらせないでほしい」
「分かった。まず、今の分から」
夫はポケットの領収を机に置いた。森さんがそので付と用件を確かめ、所定のを渡す。さな続きが実際に始まるのを見て、私はようやくペンを置けた。
昼、作業着の青が戻ってきた。
「岡です。隣の部、終わったんで見てもらえますか」
案内された空には、洗ったカーテンがかかっていた。さんが壁のスイッチを押すと、井のかりがついた。流しの脇には、しい鍵が袋に入れて置かれている。
「カーテンと球と鍵。入るまでに、必ず揃えるんです」
「蓮さんが決めたの?」
「はい。俺が入ったもそうでした」
26歳だというさんは、8、18歳でこの会社の最初の戸に入った。
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今は修繕を仕事にしている。蓮さんが会社を法にしたのは5で、まいを用する仕事自体は、それよりから続いていた。
「ここからていったも、引っ越し先を教えに来ますよ。俺、たまにまた呼ばれて直しにくんです」
事務所へ戻ると、森さんが取材の予定を確かめていた。過8の支援記録をまとめると、利用したは120を超えるという。
蓮さんは聞に写真がることをためらっていたが、連絡先を探しているにも届くと聞いて、取材を受けることにした。んでいるの名や事は、本の承諾なしに載せないと記者に伝えていた。
帰り、夫に今も伝ってほしいと言われ、私は週末の半からならと答えた。彼は予定表に入れておくと言った。私が空いていて当然だとは言わなかった。
しばらくして掲載された記事には、具箱の隣につ夫と、さな会社の名が写っていた。その朝、姉から話が来た。
「真帆、旦さんって社だったの? 会わせてよ。ちょうど500万円くらいのことで相談したいの」