"「貧乏男」の通帳に5億円" 第2話
預かるに、3つの条件
そのの夕方、蓮さんは事務所から類を持ち帰った。私は器を片づけ、朝と同じテーブルに所を作った。通帳の横には、まだ10万円の封筒が置いてある。
売買契約には、駅のと建物が記されていた。夫が25歳のに買った古い雑居ビルだった。貯めたおをにして借り入れ、空を直しながら貸していたという。
「再発で売ったのが3。借入れを返して、税を払って、残った分をあの座に移した」
返済の細と納税の控えもあった。通帳に入るまでのおの流れは、順を追えばつながった。彼がにつけていた修繕の技術も、そのに覚えたものだった。
「気事なんかは、資格を持つ業者に頼んでる。俺が全部できるわけじゃない」
蓮さんは私が尋ねた箇所を、つずつ説した。それでも最のを閉じた、朝の問いだけが残った。
「資料は分かった。でも、隠していた理由はまだ聞いてない」
彼は膝のでをねた。
「建物を持ったから、を貸してほしいって連絡が増えた。売ったはもっとだった。には普通に話せたとも、の話しかできなくなった」
「私も、そうなるとった?」
「いたくなかった。だから、言うのを先に延ばした」
言い終えてから、蓮さんは私を見た。
「君が計を考えてくれてるのに、俺は自分が怖いことばかり考えてた。
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ごめん」
今朝、封筒を受け取れなかったのは、私が自分の貯を差しすのを見て、もう黙っていられなくなったからだという。私は頷いたが、すぐには笑えなかった。
通帳を私に渡せば、話せなかったまでなくなるわけではない。ひと晩考えたいと伝えると、彼は類を残して席をった。その夜は、互いに何度も何かを言いかけながら、別々の布団で眠った。
翌朝、私は計簿としいノートを2冊並べた。10の習慣だった。考えがまとまらないも、けば、次に決めることが見えてくる。
「管理を引き受けるに、3つ約束してほしい」
蓮さんが子をづけた。私は1冊の表に『夫婦』といた。
「活は、まず2の収入をもとに考える。私の貯と蓮さんの財産は、そのままそれぞれのもの。会社のおも緒にしない」
「分かった」
「もう1冊には、支援のために何を準備しているかをきたい。使うは、目と負担するを確かめる。会社の帳簿は、これとは別ね」
私は『夫婦』のページに、夫の昼代と代をいた。
「2つ目。蓮さん自の暮らしも、ちゃんと予算に入れること」
「俺のは、まだ使える」
「使えるかだけじゃなくて、かいかも考えてほしい」
袖に線を落とすと、彼も同じ所を見た。私はそれ以、套のことを言わなかった。
「3つ目は、で決めて、で背負わないこと。
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誰かを助けるために、自分の活を削るも、先に話して」
蓮さんはしばらくノートを見てから、自分の子を私の隣へ移した。
「どうすれば続けられるか、緒に考えてほしい」
「私の仕事も続けるよ。何でも引き受けられるわけじゃない」
「うん。それでいい」
私は10万円を計簿のにしまった。今の支はしく決めた計からすことにした。この封筒をどうするかは、まだ決めずにおいた。
数、夫の解を受けた事務担当の森さんから、週末に見てほしいと資料が届いた。私が目を留めたのは、『役員借入』の内訳だった。会社が蓮さんに返すべきおが、細かな額で増えている。
添えられたメモには、『代表の替分です。精算していいと言ってくれなくて』とあった。
会社が夫に借りている。その方で、夫は自分のも買わない。私は内訳の最初のを指で押さえた。このおは、誰のために使われているのだろう。