"20年の仕送りを止めたら、義母の嘘が暴けた" 第10話
千鶴はファイルをにして居へ戻り、座卓のにドサリと置いた。
キミ子は顔面を蒼にし、膝から崩れ落ちるように座布団のにへたり込んだ。
千鶴は番にあった信託の残証をき、そこに記載された数字を淡々と読みげた。
「……投資信託残、千百万円。定期預、千百万円。……さらに、駅の賃貸アパートからの賃収入が、毎万円、くなったお義父さん名義の信託座から自に振り込まれていますね」
正の顎がれんばかりに見かれた。
「な……んだって……!? 投資信託が千百万……定期預が千万……賃収入が万……!?」
正は信じられないものを見る目で母親を凝した。
「母さん……これ、全部親父が残した遺産じゃないか! 親父がんだ、母さんは『遺産なんてほとんど残ってない、遺族だけじゃべていけない』って、俺たちに泣きついてきただろ! あれは……全部嘘だったのか!?」
キミ子は両で顔を覆い、すすり泣くような声を漏らし始めた。
「嘘じゃないよ……! 嘘じゃない! これは……これは私の老のための切なおなんだよ! とお父さんの賃収入だけじゃ、いつ病気になって寝たきりになるか分からないじゃないか! 老ホームに入るのだって、何千万もかかるってテレビで言ってた! だから……このおには、円たりともをつけたくなかったんだよ!!」
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あまりの自己保と勝さに、正はりで全をガタガタと震わせた。
「ふざけるなよ……!! 自分の貯千万円と賃収入を守るために、結婚したばかりで子供がまれたばかりの俺たちから、毎万円をも毟り取ってたって言うのかよ!? 千鶴がパートでどれだけ苦労して、自分の着買うのもしてあのを面してきたか、母さんはってただろ!!」
「だって……千鶴さんは嫁じゃないか!」
キミ子はき直ったように顔をげ、涙とにまみれた顔で叫び散らした。
「男の嫁が、夫の親に仕送りをするのは当たりだろうが! あんたたちが勝に『助けてあげたい』って振り込んできたんじゃないか! 私はそれを、ありがたく使ってやっただけだよ! 自分のおを使わずに済むなら、誰だってそうするに決まってるじゃないか!!」
千鶴の全から、すーっとが抜け落ちていった。
りすら湧かなかった。
このは、最初から最まで、千鶴をの血の通ったとして見ていなかったのだ。自分の資産を減らさずに見栄を張り、娘に遣いをばら撒き、優雅な「勝ち組の老」を演じ続けるための、都のいい無料の集システムとしてしか見ていなかったのだ。
「……お義母さん」
千鶴の声は、静寂に満ちていた。
「、お義父さんがくなった、私は本当にあなたを助けたいとっていました。
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夫を支え、族として義母を守ることが、自分の務めだと信じていました。……でも、あなたは違ったのですね。私の善を嘲笑い、自分の資産を温するための具として、私を利用し続けていたのですね」
「千鶴さん、それは……!」
「法事の席で、あなたは言いましたね。『たった万よこして偉そうに』『なんなら止めてもいい、こっちは困らない』と。……ええ、本当におっしゃる通りでした。あなたは最初から、円も困っていなかったのですから」
千鶴はちがり、座卓のの通帳と残証をキミ子の目のへ押し戻した。
「どうぞ、その千万円の預と、毎万円の賃収入で、これからの老をご自由にお暮らしください。婦会のお茶会も、お友達との温泉旅も、久美さんへの遣いも、すべてご自分の切なおからお支払いになればよろしいでしょう」
「待っておくれよ、千鶴さん!」
キミ子は座布団からいずりて、千鶴のスカートの裾を掴もうと両を伸ばした。
「悪かったよ! 私が悪かった! が滑ったんだよ! 頼むから、仕送りを元に戻しておくれ! あんたからの万がないと、私の貯が目減りしちゃうじゃないか! 貯が減るのは怖いのよ! ぬほどなのよ!!」
れで、浅ましく、どこまでも醜悪な命乞いだった。
正がそのを力任せに払い除けた。
「触るな! 度と千鶴に触るな!!」