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"母の保険金3,000万円、夫は「もう諦めろ」と言った" 第13話

そして、幸介。

彼が個座に隠し持っていた1,200万円は、弁護士のによって全額が麻紀の元へと回収された。さらに、残りの被害額についても、幸介の座から毎定額が引きされる形で、現も返済が続けられている。

幸介は実からも絶縁され、会社の同僚たちにも借トラブルと差押えの事実がれ渡ったことで世のを断たれ、現は会社くのアパートで、切り詰めた活を送りながら孤独に暮らしていると聞いた。度だけ、共通のを通じて「もう度だけ会って謝りたい」というが届いたが、麻紀はその封筒をけることなく、ゴミ箱へ破棄した。

千万円の保険は、会社の売掛回収と幸介の座差押え、そして分割返済の続きにより、全額が麻紀の元へと無事に戻ってきた。

麻紀はそのおを、ただ自分の贅沢のために使うことはしなかった。

母が苦労して遺してくれた切なおだからこそ、麻紀はある決断をしたのだ。

弁護士の協力のもと、麻紀は域の母子庭支援団体と連携し、ひとつのさな返済付型奨学制度をげた。庭の事で学びを諦めざるを得ない若い女性たちが、医療事務や護などの専資格を取得するための資を、匿名で支援する取り組みである。

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かつて母自が、麻紀を育てるために働き詰めになりながら、夜遅くに資格の勉をしていた姿が、今でも鮮されるからだ。

、その支援窓を通じて、通の謝のが届いた。

『見らぬ支援者様へ。おかげさまで准護師の試験に格し、来から病院で正職員として働けることになりました。子供に、胸を張って笑顔を見せられるようになりました。本当に、ありがとうございました』

麻紀はそのを丁寧に折りたたみ、母の写真のにそっと供えた。

母の遺した命の結晶が、見らぬ誰かのを温かく照らすへと姿を変えていく。その実こそが、夫に裏切られ、く傷ついた麻紀のを、何よりも優しく癒やしてくれていた。

「お母さん……見てる?」

麻紀は写真のの母に向かって、柔らかく微笑みかけた。

「私、もう丈夫だよ。お母さんが遺してくれた盾で、自分のを、自分のでしっかりと歩いていくからね」

窓のでは、初を受けた青空が、どこまでもく、澄み渡っていた。

の悪に流されることなく、自らの尊厳を守り抜いた麻紀の胸には、何の迷いも恐れもなかった。彼女はをしっかりと見据え、自分だけのしく豊かな常へと、確かな歩を踏みしていった。

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