"「2度と戻るな」姑と500万円の偽造委任状" 第27話
義母がんでいるのは、国沿いの古くて狭い単用のワンルームアパートだった。
先、弘がそのの様子を私にしだけ話してくれた。
弘の声には、同もりもなかった。
「母さん、すっかり老け込んでいたよ」
ただい親戚の話をするような、淡々とした響きだった。
「俺が封筒を渡すと、泣きながら、腰が痛いから部の掃除をしてってくれってすがりついてきた。でも俺は、玄関から歩もに入らなかったよ」
弘は義母に告げた言葉を教えた。
「それは自分の仕事だろ、って言って、そのまま帰ってきた」
義母は妹の子さんからも完全に見放され、本当に1ぼっちになってしまったそうだ。
話をかけても着信拒否され、所に愚痴を聞いてくれるりいもいない。
8私を便利な具として扱い、息子のおで優雅な老を送ろうとした義母。
その勝な欲望が招いた、あまりにもたく孤独な結末だった。
弘が義母を突き放したと聞いても、私のに罪悪は切なかった。
義母は今、自分のの責任を自分の力で負っているだけなのだ。
誰ものを犠牲にしてまで、幸せになる権利などない。
弘もまた、母親との異常な共依から抜けし、ようやく1の自したになったのだ。
午から私たちは2でに乗り、しれた霊園へと向かった。
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抜けるような青空の、よいのが吹いている。
私たちは弘の父親、つまり正さんの眠るお墓のにった。
私は桶から柄杓でをすくい、墓にゆっくりとかけた。
たいがの表面を伝って静かに流れていく。
弘はお線にをつけ、静かにをわせた。
私も弘の隣に並び、目を閉じてくをげた。
ので、お義父さんにそっと語りかける。
お義父さん、あののおかげで、私は自分のを取り戻すことができました。
そして弘さんも、自分のさと向きい、変わることができました。
本当にありがとうございました。
私が目をけると、弘が墓をじっと見つめていた。
弘は静かにをいた。
「親父」
弘は墓で自するように言った。
「俺は、親父が残してくれた切なものを、危うく全て壊してしまうところだった。逃げてばかりの卑怯な男だったよ」
弘はく息を吸い込んだ。
「親父のあのがなければ、俺は本当の優しさが何かに気づけなかった」
弘はく拳を握りしめた。
「でも、これからは違う。もう絶対に逃げない。自分ので弓との活を守り抜くよ」
その誓いの言葉はのに乗って、空くへと吸い込まれていった。
お義父さんが見守ってくれているような議な温かさが、私たちを包み込んでいた。
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私は弘の背を見つめながら、このとしいをやり直して本当に良かったと、の底からじていた。
霊園をた、私たちは私の実がある町へとをらせた。
今は私の母である、の73歳の誕だ。
1の今。
私は母の誕を祝った帰りに、義母からや靴を全てに放りされた。
実がそんなに好きなら2度と戻るなという酷な言葉と共に。
あのの夕暮れのたい空気とい絶望は、今でも忘れることはない。
しかし今は、全く違う景が目のに広がっていた。
私たちは実のくにあるで、母と待ちわせをしていた。
個の扉をけると、母はし照れ臭そうに微笑んで座っていた。
弘は自分の背に隠していたさな束を、母のに差しした。
「さん、お誕おめでとうございます」
母は驚き、そして目を細めて嬉しそうにその束を受け取った。
母は気を遣って言った。
「弘さん、夜勤の週で疲れているでしょうに、わざわざ来なくても良かったのに」
弘は優しく笑って首を振った。
「何言ってるんですか。に1度の切なお祝いですから。それに俺も、美しいお寿司がべたかったんですよ」
弘のその言葉には、無理をしてわせているような自然さは全くなかった。
から妻の母親の誕を祝いたいという真っ直ぐな気持ちが伝わってきた。
母はしだけ涙ぐみながら言った。