"「2度と戻るな」姑と500万円の偽造委任状" 第18話
義母の目には私がまだそんなに映っているのだろう。
私は何も答えず、ただ静かに義母を見ろした。
りすら湧いてこない。
ただどこまでも滑稽で、れなだとった。
弘が私のにち、義母と向きった。
そしてズボンのポケットから、の鍵を取りした。
それは弘がの頃からずっと使い続けてきた、この実の鍵だった。
弘は無言のままテーブルのの空箱を避け、その鍵を置いた。
カチャ。
属のたい音が、散らかったリビングに響いた。
弘の声はく、静かだった。
「母さん、弓は謝りに来たんじゃない」
義母の笑顔が、ピクリと凍りついた。
弘は言葉を続けた。
「弓の残りの荷物を引き取りに来ただけだ」
義母はの抜けた声をした。
「え?」
弘は告げた。
「そして俺も今、このをる」
その言葉が落ちた瞬、部の空気が完全に止まった。
義母はを半きにしたまま、テーブルのの鍵と息子の顔を交互に見つめた。
義母は震えながら言った。
「ちょっと、弘。冗談でしょう?」
弘は淡々と事実だけを告げた。
「冗談じゃない。荷物はもうに積んだ。これから産にって、鍵を受け取ってくる」
義母がソファからを乗りし、切り声をあげた。
「お私を1にする気!腰が痛くてけない母親を見捨てるの!」
しかし弘はたい目で母親を見ろしたままだった。
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弘は言った。
「母さんの腰痛が嘘なのは分かってる。弓から病院での録音を聞かせてもらったからな」
その言葉に、義母は息をんで直した。
弘は続けた。
「妹さんと2でこのをリフォームしてむんだろう。なら俺はもう必ないじゃないか」
義母は慌てて言い訳をした。
「そう、それはただの愚痴よ!おが弓の肩ばかり持つから」
弘の静かな問いかけに、義母は言葉を詰まらせた。
「俺が弓の肩を持ったことなんて、この8で1度でもあったか?」
私もわず、弘の顔を見つめた。
弘はゆっくりと私の方を振り返った。
その目は、い悔と謝罪に満ちていた。
弘の言葉は、飾りのない絞りすような本音だった。
「俺はずるかった。母さんが弓に嫌を言うたび、気にするな、してくれと言って逃げていた」
弘はくをげた。
「波をてるのが面倒で、1番守らなきゃいけない妻に全部の負担を押し付けていた」
弘は再び義母に向き直った。
「母さんが俺の定期預を勝に解約しようとした、俺は初めて気づいたんだ」
弘は母親を真っ直ぐに見た。
「母さんにとって俺はただの財布で、弓はタダで使える政婦だったんだってことに」
義母の顔が、みるみるうちに蒼になっていった。
自分の嘘と計算が息子に全て見透かされていたと、ようやく理解したのだ。
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義母はテーブルにすがりついた。
「待って、弘。おのことなら謝るわ。だからかないで」
弘の決断は揺るぎないものだった。
「もう遅いよ。おは全て別の座に移した。活費もこれからは切入れない」
義母はパニックになり叫んだ。
「そんなの困るわよ!私のだけでどうやってこのきなを維持しろって言うの?」
弘はたく突き放した。
「それは母さんが自分で考えてくれ。妹さんに頼むなり、を売るなり好きにすればいい」
義母の涙にも鳴にも、切をかされる様子はなかった。
私はその背を見つめながら、静かな驚きをじていた。
夫は本当に、母親との共依というい鎖を、自らので断ち切ったのだ。
弘は私の方へ歩み寄った。
そしてしだけ申し訳なさそうに微笑んだ。
弘は私に言った。
「弓、俺がをるのは、おを連れ戻すためじゃない」
その言葉に、私はしだけ目を見いた。
弘は続けた。
「俺は俺で、1DKのアパートを借りた。これからは1で暮らす」
弘は自分の決を語った。
「自分のべたものを自分で片付け、自分のを自分で洗い、自分のでつ」
弘は8にすべきだった決断を、今ようやく実しようとしているのだ。
弘の言葉には嘘がなかった。
「8おにどれだけの苦労をかけていたか。俺は1になって、それをちゃんと噛み締めたいんだ」
私に許してもらうためのポーズではなく、1のとしての真摯な覚悟が滲んでいた。