"「2度と戻るな」姑と500万円の偽造委任状" 第6話
話の向こうから聞こえてきた内容は、私の像を遥かに超えるものだった。
それは義母が私を追いした本当の理由につながる、決定な事実だったのだ。
と名乗る男性は言った。
「ご依頼のありました、定期預の解約の件ですが」
話の向こうの言葉に、私は瞬息が止まった。
定期預の解約。
そんな依頼は切していない。
さんは戸惑ったような声で続けた。
「本午、お義母様の節子様が窓にいらっしゃいまして、弘様の委任状をお持ちでした」
私はのポケットので、自分の拳をく握りしめた。
緑の座は、弘の名義だ。
8、井での同居を始めたに作った。
毎しずつ、息子の将来や私たち夫婦の老のために貯めてきた切なおだ。
私がクリニックで残業をね、同僚とのランチも断って、しずつ積みげてきた結晶だ。
名義は夫だが、通帳の管理は全て私がやってきた。
義母がなぜ、その座を勝に解約しようとしているのか。
理由はを見るよりらかだった。
私は努めて静な声で尋ねた。
臓の音がの奥でうるさく鳴っている。
「続きは完してしまったのでしょうか?」
さんはすぐに答えた。
「いえ、まだ完しておりません」
さんのその言葉に、私はさく息を吐きした。
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さんは説を続けた。
「お持ちいただいたお届け印が、登録されているものと異なっておりました。そのため本は旦お引き取りいただいた次第です」
私は目を閉じた。
そして、昨夜をるに持ちしたさなボストンバッグのをいした。
私の元には、貴品を入れた青いポーチがある。
そのに、緑の本当の印がしっかりと収まっている。
義母が探しをして見つけたのは、おそらく私が引きしの奥に入れておいたダミーの印鑑だ。
100円ショップで買った、い文判だった。
さんは堵したように言った。
「奥様がご連絡先に登録されておりましたので、のため確認のお話をいたしました」
私はくをげた。
「ご連絡、本当にありがとうございます」
私ははっきりと告げた。
「その委任状は無効です。夫も私も、定期預を解約するはありません。座の凍結をお願いできますか?」
さんは力く答えた。
「かしこまりました。直ちにお続きいたします」
話を切った、私はたい壁に背を預けた。
義母の嘘の綻びが、はっきりと見えた瞬だった。
義母が私を追いしたのは、ただの嫁いびりではない。
私が実に帰っている隙を狙って、弘の財産を自分の座に移そうとしたのだ。
弘の定期預には、約500万円が入っている。
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それをに入れれば、私たちがをていくのかせにできる。
おさえ握っていれば、息子夫婦は自分を見捨てられない。
義母の根底にあるのは、老の烈なと、1になることへの恐怖だった。
私はスタッフルームの子に座り、スマートフォンを見つめた。
もし私が義母を完全に信用しきったお好しの嫁だったら。
印鑑を通帳と緒に無防備に引きしにしまっていたら。
今頃、私たちが8切り詰めて貯めたおは、全て義母のに渡っていたはずだ。
けれど私はそうしなかった。
義母のたい線を浴び続けるで、いつかこんなが来るかもしれないと、無識のうちに備えていたのだ。
さな違が、確信へと変わった瞬だった。
これは私にとって、暗ので見つけたさなのような報酬だ。
午6。
クリニックの仕事を終え、私は実へ帰った。
母のは何も聞かずに、温かい夕を用してくれていた。
母はエプロンをしながら言った。
「お呂沸いてるからね」
その当たりの常が、今は何よりもありがたくじる。
私は自分の部に戻り、ボストンバッグから青いファイルを取りした。
計簿、領収、そして通帳と本当の印鑑。
私の8の忍耐が、このファイルのに全て詰まっている。
夜9。
テーブルのに置いたスマートフォンが、い音をてた。
画面には、弘からのメッセージが表示されている。
『母さんと話したよ。