みかん小説
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"15万円を切られた母と13万円の姑マンション" 第1話

受付につ女性スタッフの言葉に、私は自分のを疑った。

「お母様の荷物は、に全て運びされましたよ」

私は阪での1週張を終え、幹線から直したばかりだった。

には、母が好きなしにせの菓子袋をげている。

私は声を振り絞り、カウンターからを乗りした。

「運びされたって、どういうことですか?」

スタッフは困惑した表で、元の記録簿に目を落とした。

に、ご主様がお見えになりまして」

スタッフは顔をげ、申し訳なさに線を伏せた。

「退続きは済んでいるからと、引っ越し業者の方と緒に荷物を搬されました」

が真っになるというのは、こういう覚なのだとった。

75歳になる私の母は、2から腰をめている。

活の部に支援が必で、見守りと介護サービスのあるこの齢者宅に入居していた。

ここは全で、母もスタッフの方々と馴染んで穏やかに暮らしていたはずだった。

私は血の気が引くのをじながら、スタッフに問い返した。

「私がいないに、退続きがされていたということですか?」

スタッフはさらにく頷いた。

「はい」

スタッフは元のファイルをめくり、1枚のを示した。

様ご本の署名が入った類をご提いただいておりまして」

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私はその類を見つめたまま、言葉を失った。

「ご族で話しわれた結果だと伺っておりましたので、私ども引き止めることはできず……」

私はげていた袋を落としそうになり、慌てて指先に力を込めた。

族で話しった覚えなど、私には切ない。

夫の志から、母を別の所へ移すという相談など1度も受けていなかった。

私はスタッフにお願いして、母が昨まで暮らしていた2階の部へ向かった。

見慣れた廊を歩くが、鉛のようにじられた。

ドアをけると、そこには殺景な空だけが広がっていた。

母のさなベッドも、お気に入りの子も、を飾っていた瓶もない。

壁にはカレンダーをかけていたが、画鋲の跡だけがポツンと残されていた。

つい1週張へに顔をしたは、ここで緒にお茶をんだのだ。

その母が部ごと消えってしまったような恐ろしさに、息が詰まった。

私は震えるで鞄から携帯話を取りし、夫の番号を呼びした。

数回の呼びし音の志は平然とした声で話にた。

「ああ。エミか、阪から帰ってきたのか」

私は挨拶も省き、喉の奥から絞りすようない声で問い詰めた。

「お母さんはどこ?」

話の向こうで、志の息遣いが聞こえた。

「今、施設の部にいるんだけど、荷物が全部なくなってる」

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志は悪びれる様子もなく、まるで夕飯のおかずを変えたような軽い調で答えた。

「ああ、引っ越したよ」

私は壁にをつき、倒れそうになる体を必に支えた。

「引っ越したってどういうこと?私に何の相談もなかったよね」

志の呆れたようなため息が聞こえた。

「おで忙しそうだったし、俺が配してやったんだよ」

配してやったという言葉の響きに、私はい目眩を覚えた。

志がく笑うような気配がした。

「毎15万円も払うなんて、もったいないだろう」

私は携帯話を握りしめ、言葉を失った。

「だからもっといところを見つけて、移してやったんだ」

私は荒くなった呼吸をえ、声を振り絞った。

「15万円は、私が残業や張を増やして払っているおでしょう」

志は自分の正当性を微も疑っていない声で反論してきた。

「でも計全体のことを考えたらすぎるんだよ」

私は壁から体をし、無の部を睨みつけた。

「同じ介護なら、賃6万円台の普通のアパートでもなんとかなるって調べたんだよ」

私はりで声が震えるのを止められなかった。

「お母さんの腰の状態をっているでしょう。見守りがないとだって」

志は面倒くさそうに吐き捨てた。

「訪問介護をつければ活できるだろう。俺が計を理化してやったんだから謝してほしいね」

これ以りをぶつけても、母は戻ってこない。

私はく息を吸い込み、たくなった声で母のしい所を聞きした。

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