みかん小説
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"亡き息子の墓で出会った二人の子供" 第1話

「お父さん、もうこれで会えなくなります。だから今どうしても来たかったんです」

藤堂周と妻の幸子は、その言葉を聞いた瞬を止めた。泣き息子の墓のに、幼いっていたのだ。その隣には、をしっかりと握ったさな女の子の姿があった。

11歳の蒼太と、3歳になったばかりの結(ゆあ)だった。

2がなぜき息子の墓をっているのか、なぜ今が最だというのか。そして、この会いが全てを変えることになるとは、誰も像していませんでした。物語はその数分、鎌倉霊園に静けさが広がる12のとある朝から始まります。

12の鎌倉は静かでした。藤堂周は妻の幸子のをとり、坂をゆっくりと登っていきました。今は息子・琢磨の命から3に当たるでした。

3が過ぎても、ここに来るたびに胸の片隅が崩れるような気がします。たい空気ので、2の吐息だけがく揺れていました。々の枝には昨夜のがまだく残り、踏みしめるには柱がっていました。

この期になると、周は決まって同じを見ました。会社の会議話が鳴り、琢磨の声が聞こえてくるです。しかし話を取ると、いつも声は途切れてしまいます。今もまた同じを見て目を覚ましました。幸子も隣で同じように眠れない夜を過ごしていたようでした。

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2は朝くに繕いをえ、いつもよりに墓へと向かいました。参の脇にはの墓参りのの姿もまばらにあり、線の匂いがたい空気に静かに溶けていました。幸子は菊の束をにしっかりと握りしめていました。

琢磨の墓は丘の腹にありました。静かで当たりの良い所です。しかしづくにつれ、2取りが遅くなりました。墓のさな2つのろ姿があったのです。

11歳ほどに見えるでした。その傍らに、を握った幼い女の子がっています。は墓を見つめたまま微だにしません。女の子はし落ち着かない様子で、兄の袖を軽く引いていました。

わず幸子のく握りました。幸子も驚いた表たちを見つめています。結が兄の背からそっと顔を覗かせました。まだ言葉をくは話さない頃でしたが、きな瞳でじっと藤堂夫妻を見つめていました。

蒼太はその線に気づくと、さりげなく妹のち、自分の体で隠するようにしました。2は慎づいていきました。音を殺すようにして歩きます。が振り向きました。黒い瞳が藤堂夫妻を見つめます。そのまなざしには驚きも恐れもありませんでした。ただしみだけが宿っていました。

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「こんにちは」 さな声で挨拶をしました。周は喉が詰まり、しばらく答えられませんでした。幸子が先にきます。 「ここにはどうやってきたの?」 「挨拶をしに来ました」 の答えはくきっぱりとしていました。

は墓を見ました。「藤堂琢磨」という名が刻まれています。そして再びを見ました。 「もしかして、うちの息子をっているのかい?」 は頷きました。そして隣の女の子のにそっとを置きます。 「妹も連れてきました。最に挨拶をしないといけないので」

「最」という言葉が周に残りました。幸子がづきます。 「最というのはどういうなの?」 「もうすぐくへくことになっています。だから、今どうしても来たかったんです」 の声は淡々としていましたが、どこか震えていました。

は胸が締めつけられました。くへくという言葉のが、なんとなく分かる気がしたのです。 「ご両親はどちらに?」 周が慎に尋ねます。「いません」 「くなったのかい?」 その言葉が落ちると沈黙が流れました。が枯れ枝を揺らします。結げに蒼太の腕にすがりつきました。蒼太は妹をひょいと抱きげ、背を軽く叩きました。3回、正確なリズムで。

はそのきをじっと見つめていました。

何か見覚えのあるリズムでした。琢磨が幼い頃、眠るにそうやって背を叩いてほしいとせがんだ記憶がふと蘇ります。

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