"中卒の清掃員をクビにした翌日" 第7話
その夜。
帰宅した結は、久しぶりに昔の教科をいた。
代の国語の教科。
ページには当の自分の字が残っていた。
「いつか、また勉したい」
5に諦めた。
まだ完全には消えていなかった。
***
翌。
杉は事部へ向かった。
には枚の類。
「川結さんについてです」
事担当者が見る。
「契約更についてですか?」
杉は頷いた。
「はい」
そして淡々と言った。
「更はです」
「契約終でお願いします」
事担当者は驚いた。
「ですが……」
杉は遮る。
「決定です」
「彼女は能力です」
「昭栄百貨には必ありません」
その言葉を。
廊の奥で聞いていた物がいた。
郎。
彼は静かに目を閉じた。
そして。
い沈黙の。
さく呟いた。
「……もう分だ」
はポケットから携帯話を取りした。
いメッセージを送る。
【準備を始めてくれ】
数秒。
返信が届く。
【承しました。会】
は画面を見つめた。
この。
杉はまだらなかった。
自分が切り捨てようとしている女性が。
昭栄百貨の未来を変えるになることを。
そして。
自分が最も軽した「契約社員」というによって。
自分自の位が揺らぐことになることを。
「契約終でお願いします」
杉亮介の言葉は、事部のさな会議に響いた。
担当者の田は、元の資料をもう度確認した。
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そこには川結の5の勤務記録が並んでいた。
遅刻なし。
欠勤ほぼなし。
クレームなし。
むしろ、お客様からの謝の声が何件も寄せられている。
田は首を傾げた。
「杉さん……本当に契約終ですか?」
「はい」
杉は迷いなく答えた。
「理由は先ほど説した通りです」
「業務効率に問題があります」
田は資料を見る。
「ですが、勤務態度については問題ないようですが」
杉はし苛った表を見せた。
「田部」
「会社というものは、努力賞でを残す所ではありません」
「成果をせるを残す所です」
「川さんは真面目かもしれません」
「しかし、組織のルールを理解していない」
杉は続けた。
「善で勝な判断をするは、現を混乱させます」
田は黙った。
確かに杉は数字の成果をしていた。
件費削減。
業務縮。
報告の改善。
層部からの評価もい。
しかし。
田のにはさな違が残っていた。
「本当に、それだけなのだろうか」
川結という女性を、田は何度も見ていた。
朝くから働く姿。
お客様にをげる姿。
誰もいない所でも丁寧に掃除する姿。
なくとも、彼女を「な材」と呼ぶことには抵抗があった。
しかし。
最終判断をするではなかった。
「……分かりました」
田は静かに答えた。
「本への通は今週にいます」
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杉は満そうに頷いた。
「お願いします」
そして部をた。
***
そのの夕方。
結はいつものように倉庫の清掃をしていた。
誰も来ない所。
聞こえるのは、自分の音だけ。
モップをかしながら、結は考えていた。
「来……契約更できるかな」
母の薬。
病院代。
賃。
費。
ので数字が浮かぶ。
料がなくなれば、活はすぐに苦しくなる。
でも。
結はすぐに首を振った。
「考えても仕方ない」
「今できることをしよう」
そう言って、またを磨いた。
その。
背から声がした。
「川さん」
振り返る。
だった。
「さん」
「こんなところまで来たんですか?」
は微笑んだ。
「ああ。し迷ってね」
しかし、の目は迷っているのものではなかった。
彼は静かに結を見る。
「君は……本当に変わらないね」
「え?」
「所が変わっても」
「仕事の内容が変わっても」
「誰も見ていなくても」
は倉庫を見渡した。
「同じように働いている」
結はし笑った。
「仕事ですから」
「でも、以より変だろう?」
結はし黙った。
「……正直に言うと」
「はい」
「ししかったです」
は黙って聞く。
「5いた所から突然されて」
「自分が必とされていないような気がしました」
結はを見る。
「でも」
「この所も、誰かが使う所です」
「ここが汚れていたら、困るがいます」
「だから、ちゃんとやろうといました」
は目を細めた。
「君は……」
「はい?」
「自分が傷ついているでも、誰かのことを考えるんだね」
結は困ったように笑った。