"3000万円と捨てられた母の罠" 第6話
声が聞こえました。健とさやかでした。はる子は音を殺し、廊の角にを隠しました。 「母さんに何かあったら俺たち終わりだぞ」 健の声でした。震えていました。 「分かっているわ。だからくを打たないと」 さやかの声はたく断固としていました。「診断さえれば、そこから先は簡単よ」 はる子は息を殺した。臓がドキドキと音をてます。 「でも、母さんが急にしっかりしたらどうするんだ?」 健がに尋ねました。 「そんなことありえないわ。薬をませ続ければいいの。環境が変わればもっと混乱するはずよ。本当に診断さえればそれで終わり。配しないで」
はる子のは凍りつきました。診断、薬、環境——全てが計画だったのです。 はる子は急いで部に戻りました。布団をまでかぶり、全が震えました。
それから1週が経ちました。はる子はわざと何もらないふりをしました。しかし、観察は続けていました。さやかの調、健のまなざし、2のの緊張、そして介護ホームに捨てられるが来たのです。に当たりにこうという言葉も嘘でした。入所類はすでに準備されていました。荷物も持ってまとめられていました。全てが計画だったのです。
考が終わりました。はる子はベッドから体を起こし、窓のを見た。
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が浮かんでいます。今や全てがらかでした。嫁と息子が望んでいるのは認症の診断——診断さえれば成見の申してができます。そうなれば、はる子の財産は自に見、つまり息子夫婦のに渡るのです。
はる子は唇を噛みしめた。りが込みげてきました。しかし、しました。ったところでどうにもなりません。代わりに考えました。 はる子は静かにつぶやいた。 ——「そうよ。あなたが望む老になってあげる」 声はくでしたが力かった。認症にかかった愚かな老。あなたが望む通りにしてあげる。はる子のまなざしがたく沈みました。 ——「でも、ただやられるだけの老じゃない。あなたたちが言うこと1つのこらず覚えていてあげる」
はる子はゆっくりと結論に達した。から嫁が望むとおり認症にかかったふりをする。そうして油断させる。そして全ての証拠を集めるのだと。 はる子は再びベッドに横になり、目を閉じた。もはやはる子に混乱はありませんでした。確信し、決断したのです。から演技が始まる。完璧に、と。
次のの朝、はる子は病院へく準備を終えていました。黒いズボンを履いています。内側の縫い目にはペン型録音が隠されていました。で触ってみましたが、からは分かりませんでした。
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「はる子様、発のおですよ」 活指導員の泉さんがドアをノックした。はる子はバッグを持って部をた。泉さんがはる子の腕を支えてくれました。 「病院へくの緊張しますよね。しだけ」 はる子はさく答えた。泉さんは優しく微笑んだ。
1階へりた。施設のが待っていた。い福祉両だった。はる子は部座席に乗り込んだ。が発し、窓のの景が流れていきます。町の部へ入るにつれての数が増えていきました。40分ほどったでしょうか? 病院の建物が見えてきました。
をりると、泉さんがはる子の腕を支えてくれました。ロビーに入ったそのでした。 「お母さん!」 聞き慣れた声がしました。はる子が振り返ると、嫁のさやかが見つかるところでした。微笑んでいます。 「お母さん、いらっしゃい。私が先に来て待っていましたよ」
はる子はさやかを見た。化粧が濃い。装もきちんとしています。準備万端できたのです。 「ご族の方ですね」 と泉さんが尋ねた。さやかは頷きながら名刺を渡した。 「はい、嫁です。お疲れ様です」
さやかは泉さんをくに引き寄せ、はる子に聞こえないように声を潜めた。しかし、はる子には聞こえました。 「今の診察内容と母の反応。しっかりと記録をお願いします」 泉さんは瞬躊躇しました。さやかが再び言った。
「お願いします。事なことですので」 それはお願いではありませんでした。指示でした。はる子は嫁の本当の姿を確かに見た。