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"3000万円と捨てられた母の罠" 第4話

夜が更けました。はる子は眠れませんでした。隣のベッドからすすり泣く声が聞こえてきます。 「どうして私を捨てたの……どうして?」 おばあさんが呟いていた。枕に顔を埋めて泣いている。 「昨も息子はそのまま帰ってしまった……戻ってくるって言ったのに、嘘だった」

はる子は目を閉じた。このおばあさんの話は自分と全く同じでした。ここは捨てられた々が集まる所なのです。 はる子の胸ので何かがくなっていくのをじました。りでもしみでもありません。たい決でした。ここでき延びなければならない。

次のの夕方、さやかが見いに来た。笑顔でフルーツの籠を持っている。 「お母さん、いかがですか? 元気にされていますか?」 はる子は答えませんでした。さやかは子を引き寄せ、座った。 「今付は分かりますか?」 突然の質問でした。はる子は目をパチクリさせた。 「1228よ。うちの所は京都杉並区……」 はる子ははっきりと答えました。さやかの表がかすかにこわばりました。 「最、通帳の管理は誰がしていますか?」 「私がしているわ」 「実印はどこに置きましたか?」 はる子はを閉ざしました。なぜそんなことを聞くのでしょうか? さやかは微笑みました。しかし、その目はたかった。 「お母さん、記憶力は良いのですね」

さやかはがった。

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帰り際にナースステーションに寄っていった。はる子はドアの隙からその様子を伺っていた。 「もし母が攻撃になったり、おかしなをしたりしたら、すぐに記録を残してください」 さやかの声が聞こえた。職員は頷いた。

はる子はドアを閉めました。全に鳥肌がった。私の言葉1つ1つが記録される。私の1つ1つが監される。 はる子はベッドに座り、を固く握りしめた。もう分かりました。この所でき延びるためには、馬鹿にならなければならない。いふりをしなければならない。 はる子のまなざしが変わりました。彼女は戦略をて始めたのです。

次のの朝でした。はる子が顔を洗っていると、古いコートに触れた。昨夜、寒いからと羽織っていた黒いダウンジャケットです。が内ポケットに入りました。何かいものに触れました。はる子はを止め、ゆっくりとそれを取りした。黒いボールペンでした。さは15cmほど。普通のボールペンのように見えましたが、これはただのボールペンではありませんでした。

1ヶのことです。はる子は所のに寄りました。補聴器の池を買いにったのです。しかし、そのなぜか嫁と息子の態度がかられませんでした。奇妙な質問、通帳の話、認症という言葉、何かがおかしいという覚がありました。

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だから、の主がペン型の録音を見せた、はる子は迷わずそれを買った。万がのために。録音は3000円でした。はる子は現で支払いました。カードを使うと記録が残るからです。

はる子はのペンを見ろした。当は漠然としたでしたが、今やき残るための武器となりました。バッテリーはどれくらい残っているかしら? はる子は記憶をたどった。ペンの部を回すと源オン、横のボタンを押すと録音。そうです。 慎部を回すと、さなが点滅しました。バッテリーはまだ残っていました。はる子は素源を切った。

を歩いていると、ナースステーションから声が聞こえてきた。 「保護者の方の署名はいただきましたか?」 「はい、昨いただきました」 「では、の病院への付き添い、よろしくお願いします」 はる子は歩みを止め、を済ませた。 「保護者の方が直接署名されたので問題ないでしょう。保護者の署名は……」 はる子は唇を噛みしめた。自分の同なしに続きがめられているのです。

昼過ぎのことでした。ナースステーションの話が鳴った。はる子は廊子に座っていた。 「はい、希望の介護ホームです」 しばらくして職員の声が聞こえた。 「さやか様ですね。はい」 はる子は息を殺した。 「検査の予定ですか? はい、の午10に予約が取れています。

私が付き添います」 嫁が急がせている。検査を急いでいるのです。

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