みかん小説
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"片親の分際で、100年早い" 第15話

まだ溝は残っているかもしれない。でもしずつ埋めていけばいい。俺は1つお願いがあると切りした。母の墓参りに緒にってほしいと。父の表がわずかに曇ったが、「もちろんだ」と静かに答えた。

俺たちは久しぶりに向きった父と、そう誓いった。

、戸塚の処分が発表された。事部の職を解かれ、病院からの退職勧告を受けたという。戸塚はそれを受け入れ、自主退職した。彼のそのについて俺は詳しくらない。

しかしある、里佳がこんなことを教えてくれた。

「戸塚さん、別の病院に転職したらしいよ。方のさな病院だって」 「そうか」 「態度を改めたって噂もあるよ。片親育ちのスタッフにも普通に接しているって」

俺は複雑な気持ちでその話を聞いた。戸塚は確かに俺にひどいことをした。履歴を燃やし、庭環境を蔑み、精神に追い詰めた。それは許されることではない。しかし彼もまた、被害者だったのかもしれない。片親で育ち、周りからげすまれながらがってきた。その苦しみは本物だったはずだ。彼がその苦しみを者への攻撃に転嫁してしまったのはしいことだ。

でも、は変われる。戸塚が本当に態度を改めたのなら、それはいいことだとう。俺は窓のを見つめながらそうった。

4に入り、俺は正式に学付属病院の研修医として採用された。

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里佳も同じ病院に格していた。研修に、俺と里佳は病院のにいた。夕が沈みかけていた。オレンジ京の並みを温かく染めている。この病院で俺は働くことになる。父と同じ所で医師として、母を救えなかった悔しさを胸に、1でもくの命を救うために。

里佳が俺の隣に来て、緒に夕を見つめた。

「綺麗だね。ここで緒に働けるなんて嬉しいな」 「ああ」 「陽くん、これからも緒に頑張ろうね」 「ああ、よろしく頼む」

里佳が俺のを取った。そのかかった。あの公園で「陽くん」と呼んでくれたから、俺たちの距しずつ縮まっていた。

俺たちは病院をて、くの公園を歩いた。桜が満だった。いピンクびらが空を覆うように咲き誇っている。が吹くたびに、びらがのようにい落ちてきた。

あの履歴を燃やされ、「片親の分際で」と蔑まれたからわずか数週。しかし俺のきく変わっていた。

「陽くん、今のことびっくりしたけどさ、でもなんか……すっきりした」

俺はを止めた。どういうかと問うと、里佳はし考えてから答えた。

「あなた、どこか無理してるように見えたから。1で全部背負おうとしているっていうかさ。でも今、お父さんを呼んだでしょ。頼れるがいるってわかって、私、すごく嬉しかったの」

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俺は言葉を失った。里佳はずっと俺のことを見ていてくれたのだ。

「これからは1で抱え込まないでね。困ったは、私にも頼ってほしい」

が震えた。謝の言葉を伝えると、里佳は「お礼なんていらないよ、友達でしょ」と微笑んだ。

その笑顔を見て、俺はった。この6、俺は1で戦ってきたつもりだった。でも本当は違った。里佳がずっとそばいてくれた。俺を支えてくれていた。俺は1じゃなかったのだ。

俺は里佳の名を呼び、「これからもよろしくな」と伝えた。里佳の顔がパッとるくなった。

「もちろん!」

俺たちは並んで歩き続けた。桜のびらがっている。しい季節が始まろうとしていていた。

その週末、俺は父と緒に母の墓参りにった。墓は郊の静かな所にあった。々が芽吹き、の気配が漂っている。

母の墓はさいが、入れのき届いた所にあった。墓には「代美鈴」と刻まれている。俺は母を備え、線をつけた。煙が空に昇っていく。

「母さん、久しぶりだね」

隣で父がわせていた。

「美鈴、久しぶりだな」

父の声はしかれていた。

「陽が医者になるよ。おと俺が会った病院で、研修医として働くんだ」

俺は黙って聞いていた。

「おがいなくなってから、ずっと悔してた。あの、俺がそばにいれば……そう何度もった」

父の目から涙がこぼれた。

「でも、陽派に育ってくれた。

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