"8か月前に姉を亡くした俺――スーパーで鬼課長が双子の名前を呼んだ" 第5話
切り取られた38秒
曜の午9、俺は品質管理の会議へ呼ばれた。窓のない部の央に机が置かれ、正面のモニターには顧客番号と通話が表示されている。
席者は品質管理の担当者2、川課、俺、それから同じチームの田修平だった。田は俺より3先輩で、異直から業務を教えてくれた方、午6に退勤する俺をくっていなかった。
机には俺の対応履歴が印刷され、付箋の貼られた就業規則まで置かれていた。単なる注ではなく、処分の必性まで検討するだと分かる。今の見報告を提したばかりなのに、仕事を失えば活計画そのものを見直さなければならない。
「子どもがいるのは井だけじゃない。毎きっちり帰れて羨ましいよ」
以、そう言われたことがある。俺は制度認められた勤務だと説したが、言い訳に聞こえる気がして、それ以反論しなかった。
品質管理の担当者が、問題の38秒を再した。
〈これ以は対応できません。同じ説を繰り返すことになります〉
録音のの俺は、確かにたく聞こえた。顧客は「途から態度が急変した」「庭の都でく話を切ろうとした」と申告しているという。
「この対応を覚えていますか」
「覚えています。ただ、このに10分以やり取りがあります。
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お客様から、保証期を過ぎた商品を品と無償交換するよう求められました。修理、割引交換、点検の3案を説しましたが、どれも受け入れていただけませんでした」
俺は対応履歴をいた。3案と顧客の回答は、通話に入力してある。しかし田が印刷した資料では、その部分が2に縮められ、最の発言だけが赤枠で囲まれていた。
「結局、お客様をらせたのは事実だろ」
田が腕を組む。
「営業部で成績が良かったからって、サポートの基本まで分かったつもりになるなよ。子どもの迎えがあっても、仕事を雑に終わらせていい理由にはならない」
双子のことを持ちされ、反射に言い返しそうになった。だが、ここで声を荒らげれば、問題は俺の勤務態度へすり替わる。俺は机ので指を握り、品質管理の担当者へ向き直った。
「サーバーに保されている原音声を確認してください。もし私の説や記録が事実と違うなら、処分を受けます」
川課は会議が始まってから、度も俺をかばっていない。いつものい表で資料を読み、38秒の終位置と対応履歴の刻を照していた。
その態度をたいとはわなかった。スーパーで姉との関係をった今、ここでに擁護されれば、かえって俺の説まで疑われる。必なのは好ではなく、編集されていない記録だった。
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やがて、赤枠のついた資料を指で押さえた。
「この音声は、誰が抽したものですか」
田がわずかに姿勢を変える。
「俺です。顧客から送られてきた部分を、確認しやすいように共しました」
「顧客から送られたファイルの作成刻と、田さんが社内サーバーへアクセスした刻が同じですね。原音声をいてから、このファイルを作ったのではありませんか」
「それは……全体を確認する必があったので」
川課はそれ以追及せず、品質管理の担当者へ資料を渡した。直属の司である自分が結論をせば、俺へのひいきだと言われる能性がある。そのため最終判断を品質管理に委ねると、会議の冒で言していた。
担当者が保サーバーを操作する。画面にしい音声ファイルが表示された。
〈原音声・未編集〉
再は、12分46秒。
会議のスピーカーへ接続され、再ボタンのにカーソルが移する。田はモニターを見たまま、元をく結んでいた。
「では、最初から再します」