"3年間隠していた清掃員の母に、院長が頭を下げた" 第11話
母が選ぶ仕事
、母は院の机に置かれた提案を、鏡をかけて読んでいた。俺は母から頼まれて同席していたが、質問するのも答えるのも、できるだけ母に任せた。
院は、での救援経験を若い職員に伝えてほしいと話した。昔の活資料の理や、当の判断を聞き取る仕事もあるという。
「もし臨に戻りたいというお気持ちがあるなら、どのような準備が必かを相談することもできます」
母は提案から顔をげた。
「それは、今の私には考えられません。28、現かられています。今回のことで、また術ができるとわれるのは困ります」
院は頷き、診療の担当を依頼する話ではないと確認した。母はそこで、資料理の項目に指を置いた。
「こちらなら、お役にてるかもしれません。成功した話だけでなく、迷ったことや、うまくできなかったことも残してよいのですね」
「ぜひ、その部分を伺いたいです」
母の指が、のをし先へんだ。勤務の回数と、報酬の欄だった。
「お話をするのほかに、準備するも必だといます。その扱いは、どうなりますか」
担当職員が、資料の理や準備も仕事として計すると説した。母はさな帳をき、清掃会社に相談すること、勤務を調することをき留めた。
俺は横で聞きながら、母が条件を尋ねる姿にし驚いていた。
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頼まれれば、自分のを回しにして引き受けるのだとい込んでいたからだ。
母は、すぐに全部を辞めるつもりも、全部を抱え込むつもりもなかった。
相談の末、資料理は週2の勤務、経験を話す研修は1回から始めることになった。清掃の仕事は会社と調し、本が希望した午のい勤務を部残すことになった。
「慣れている所ですし、緒に働いてきた方にもお世話になっていますから。でも、休むはきちんと作りたいんです」
母がそう言うと、担当職員は予定表の空いたを確かめた。そこに別の仕事を詰めることはしなかった。
帰り、俺は母の荷物を持って、駅まで歩いた。
「清掃を続けるのは、俺に慮しているからじゃないよね」
母は俺の顔を見て、笑った。
「続けたいもあるのよ。でも、辞めたくなったら辞めるわ。そういう決め方でいいでしょう」
「うん。それでいい」
母のへ寄ってから、俺たちは活費についても話した。母が支えてくれた過の額を数えるのではなく、今の収入と毎の支を見て、俺が定期に負担する分を決めた。
「何か必なら言って、では、また母さんに考えさせるだけだから」
俺が言うと、母は請求を揃えていたを止めた。
「じゃあ、い買い物はお願いしてもいい?」
「もちろん。休みのにまとめて買おう」
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「それと、この棚。の箱をろしたいの。子に乗るのが怖くなってきて」
俺はちがり、箱を卓へ運んだ。には、あの救援先から届いたと、活の写真が入っていた。母は1枚ずつ見ながら、仕事に使うものと、自分だけで持っていたいものを分けていった。
俺は勝にを伸ばさず、横で袋をいて待った。
最初の研修で使う写真が決まると、母は帳の予定にさな丸をつけた。の救援現で並んだたちの顔を、誰にどんな順で紹介するか、さっそく考え始めていた。
「し、緊張するわね」
「最初の回、俺も聞いていい?」
母は鏡をし、俺を見た。
「聞きたいのなら、どうぞ。仕事の都がついたらね」
その返事が嬉しかった。母には母の仕事があり、俺はそれをりたいとっている。遅すぎた質問の続きを、これからしずつできるのだとった。
帳を閉じた母が、窓のを見て言った。
「はるが同じね。よかったら、緒にかない?」