"毎月20万円送っていたのに、82歳の母は皿を洗っていた" 第11話
謝る相を違えない
は社に入り、健の机のにった。今度は事業の封筒も、部の類も持っていなかった。
「母親の分は、こちらで補填できる。君も族をさせられるだろう。会社の調査まで続ける必はない」
健は子を勧めた。は座らず、机の端にをついた。
「私が話を何本止めたとしても、君は自分でかけられた。も運転もいる。帰ろうとえば、いつでも帰れたはずだ」
その言葉に、健はすぐに答えられなかった。で母に差しした幣をいした。帰るかどうかを決めるのは自分だと、母はあの、彼に言わなければならなかった。
が話を続けた。
「族が元気だという報告を信じたかったんだろう。私はその報告をしていただけだ。今になって私だけを悪者にすれば、派な息子に戻れるとでもうのか」
健は伏せていたを机のに置いた。
「僕が帰らなかったことは、あなたのせいにはできません」
の肩からし力が抜けた。健はその顔を見たまま、言葉を続けた。
「母にも弟にも、僕が謝ります。必なことをして、これからの態度で答えます」
「それなら、話はい」
「でも、そのために母の活費や会社のについて黙るつもりはありません」
のが机をれた。
健は野が母に渡した確認の写しをした。
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署名欄は空のままだった。
「母に、受け取っていないを受け取ったとかせようとした。僕が反省することと、この類を見なかったことにするのは別です」
「野が持っていった文面まではらない」
「それも、調査で説してください」
は子に座った。机のの確認を取らず、健の顔を見ていた。
「君をここまで支えた私より、よそから来た会計士を信じるのか」
「誰の名があるかで、確かめるのをやめたくありません。あなたが会社を助けてくれたことも、今回の記録も、両方見ます」
健は内線を取り、秘に会議程の確認を頼んだ。部調査の報告を受ける臨取締役会について、必な準備をめるためだった。
はその会話が終わるまで待った。
「本当に、取り返しがつかなくなるぞ」
「母に同じへ署名を頼むのは、もうやめてください。連絡は代理にお願いします」
がていくと、健は勝へ話をかけた。仕事の途だった弟に、追加の訪問があっても相をする必はないと伝え、自分のについてから責められたことも話した。
「そこは、違ってないだろ」
勝の声は変わらなかった。
「分かってる。だから、あいつを責めて終わりにはしない」
「だったら、母さんとの約束を守れよ」
話を切った健は、母の次の受診予定をいた。
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勝と相談して自分が担当するに、会議を入れないよう秘へ伝えた。い説を求められることはなかった。
その夜、会計士からしい資料が届いた。会社に保管されていた承認履歴に加え、アオバの経理担当者が提供した請求の修正指示が含まれていた。
担当者は聞き取りを受け、自分が処理した請求の経緯を説するため、保していたメールを提したという。が額の変更を求め、修正の請求を受け取っていた記録だった。
健は調査担当者に、会社側に届いた類と照するよう頼んだ。法務には、確認できた事実と本の説を分けて取締役会へすよう伝えた。
会議の資料には、母の所を載せなかった。会社の問題を説するために、母の暮らしまでへさらす必はなかった。
が、母の帳面に何がかれていても関係ないと言い張ったところで、もう調査は止まらない。
次に机へ並ぶのは、自が送った指示と、その結果いたの記録だった。