"毎月20万円送っていたのに、82歳の母は皿を洗っていた" 第3話
通帳に印字された20万円
その夜、健は自宅で個座の細を保した。毎20万円が管理会社へ渡っている。けれど、その先で母が受け取ったかどうかを、自分は度も確かめていなかった。
細と母の通帳の写しを、以から私な相談をしている弁護士に送った。まず今ある資料を残し、管理会社の過の支払控えも確認することになった。
健は翌からの定期送を止めた。そのうえで管理会社へ、活費の支払いは本がうこと、関連資料を廃棄せず提することを文で伝えた。誰が悪いかを決めるより先に、同じ経へまたおを流すのをやめた。
翌朝、ふみのを訪ねると、母は卓で鏡を拭いていた。健は玄関で靴をそろえ、昨の通帳について話した。
「お母さんの座に、僕から直接振り込みたい。使うのはお母さんで、通帳もここに置いたままにする」
ふみは鏡を掛けた。
「私がどこで暮らすかも、私が決めていいんだね」
「うん。堂のことも」
「それなら、緒に確かめにこうか」
くのまで、2で歩いた。い距だったが、母はを選び、横断歩で分に休んだ。健は先を急がず、母が歩き始めるのを待った。
のロビーで座番号と名義を確認し、健は自分の端末から20万円を振り込んだ。ふみは通帳を械へ入れ、印字が終わると両で受け取った。
広告
しいには、佐藤健の名と200,000円が並んでいた。
ふみは鏡をし持ちげ、数字を確かめた。健は隣に座ったまま、通帳へをさなかった。
「入ったね」
「うん。これからは、届いたかどうかも僕が聞く」
母は通帳を閉じ、自分の鞄へしまった。健が返事を待っていると分かったのか、顔をげた。
「受け取るよ。でも、昨までのことがこれで済んだとはわないでおくれ」
「分かってる」
その返事のに言い訳をさずにいると、母はようやく子からった。
をたところで、ふみが堂に寄りたいと言った。のでは、主が卓の調料を補充していた。母は自分からづき、今いっぱいで仕事を終えたいと告げた。
「から考えてはいたんだけどね。来の支払いをうと、言いせなくて」
主は補充していた瓶を置き、ふみの膝へ目をやった。
「分かりました。末までだって、無理はしないでください。洗いは私たちで回しますから」
残りのは座ってできる箸の袋詰めや軽い片付けをにする、と2で決めた。健はしれた所で、その話を聞いた。母が自分の言葉で仕事の区切りをつけるのを、今度は遮らなかった。
帰り、ふみは鞄からさな診察券入れをした。
「今週、病院へくなんだよ。勝が仕事をずらすと言っていたけど」
「僕が緒にってもいい?」
「予約のににうように来てくれるなら」
健はそので予定を確認した。勝には自分から連絡すると伝え、診察券にかれた病院名を控えた。
へ戻ると、勝が勤にそろえた入院の類が卓にあった。母の承を得て見ると、退院の説に肺炎の治療経過が記されていた。15の入院には、仕事を休んだ勝のき込みも添えられていた。
その、管理会社から届いた過資料の部をらせるメールが来た。健は添付された『族状況報告』をいた。支援についての欄のに、い文章があった。
『本に話確認。健康状態良好。活の望なし』
確認したとされる付を、退院の類と照らしわせる。
その、母はまだ入院していた。