"20人の宴会、妻は2つの鞄を用意していた" 第4話
妻が準備していた逃
警察官2が到着すると、最初に母をリビング、美紀と優奈を寝へ分けた。私は廊で待つよう指示され、誰かの代わりに説することは許されなかった。
閉じた扉の向こうから、美紀のい声が聞こえる。途切れながらも、自分の言葉で話していた。
警察官は流しに残った量の皿、優奈が使っていた踏み台、美紀の首を順に撮した。母は「嫁が事を嫌がっているだけ」「孫には簡単な伝いしかさせていない」と繰り返したが、優奈の両を見た女性警察官の表は変わらなかった。
「この踏み台には、誰が乗せましたか」
女性警察官が尋ねると、母は「自分で乗った」と答えた。ところが優奈は、美紀のを握ったまま首を横に振った。
「おばあちゃんが持ってきたの。お皿を割ったら、ママのおから払うって言った」
母はすぐ訂正しようとしたが、警察官は遮らず、最初の回答との説を別々にき留めた。その様子を見て、私は声のきい方の説が通るわけではないのだと、あまりにも遅く理解した。
そので逮捕や結論がたわけではない。母には相模原の自宅へ戻るよう求められ、あらためて事を確認すると告げられた。母は最まで納得しなかったが、警察官のでは美紀にづけず、着物のにコートだけを羽織ってていった。
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夜、美紀と優奈はくの救急来を受診した。美紀は荒れと軽いやけど、首の打撲。優奈は洗剤による接触性皮膚炎と診断され、医師は所見をカルテに残した。
診察からてきた優奈は、薬を塗られたを胸ので持ちげていた。
「パパ、もうお皿しなくていい?」
「しなくていい。優奈がしたいだけでいいんだ」
娘はしたように頷いたが、私のを握ろうとはしなかった。
美紀も診断の入った封筒を自分の鞄へしまった。以なら私に預けていたはずの類だった。それを渡してほしいとは言えなかった。私はもう、妻にとって緒に管理する相ではなく、証拠を見せる必がある相になっていた。
帰宅、管理会社に事を説し、母に渡していた子錠の権限を止した。母が持ち込んだ類や私物は、警察官から指示されたとおり勝に廃棄せず、別にまとめた。
私は駅のビジネスホテルへ移ることにした。このに残る権利があるのは、逃げる準備をしていた美紀と優奈の方だとった。
ホテルの部は、ベッドと机のを2歩で移できるほど狭かった。午まで使っていたキャリーケースをくと、優奈が張に入れてくれた折りのがシャツのから落ちた。翼には〈パパ、はやくかえってね〉とかれている。
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私は帰宅を2めた。それでも、族の異変に気づくのは11か遅かった。
翌朝10、森彩が段ボール箱を抱えて訪ねてきた。美紀よりし背のい女性で、私を見る目には警戒があった。
「美紀から預かっていた物です。通帳、印鑑、母子帳、優奈ちゃんの着替え。それから仕事用のパソコン」
箱の底には、現の入った封筒と賃貸宅の資料も入っていた。美紀は私が福岡から戻る翌に、優奈を連れてる予定だったという。
「どうして、そこまで準備していることを俺に……」
彩は私の言葉を遮った。
「話したら止められるとったからです。美紀が怖かったのは、お義母さんだけじゃありません」
箱のから、美紀がのファイルを取りした。表には、さな字で付が並んでいる。最初の付は、母が同居を始めた11かだった。
「これは?」
「私と優奈が、ここで何をされてきたか。忘れないための記録よ」
ページをこうとすると、美紀は静かにを置いた。
「読むなら、今度は途で『げさだ』と言わないで」