"身重の愛人を抱き起こした私" 第9話
母さんがおのせいで体調を崩した。しばらく俺のにはづくな。 おのアパートでおとなしくしてろ。絶の話は、由を追いしてからもう度詰める』
最のを読んだ瞬、私の背筋にたいりがった。
『絶の話は、由を追いしてからもう度詰める』
この男は、最初から葵の子どもを育てる気など毛なかったのだ。 私を無文で追いすための具として葵の妊娠を利用し、用が済んだら、今度こそ力尽くで絶させ、切れを渡して切り捨てるつもりだったのだ。
「……っ……うあああ……!」
葵は両で顔を覆い、ベッドので声を押し殺して泣き崩れた。
「私……信じてたのに……! 奥さんと別れて、私と結婚してくれるって……子どもと緒に、あの広いで暮らそうって言ってくれたのに……っ!」
激しい嗚咽が、病に響き渡る。 昨、私ので見せた傲なの姿は、どこにもなかった。 そこにいたのは、甘い言葉に騙され、体を弄ばれ、用済みになれば命ごと捨てられようとしている、れで愚かなの若い女だった。
私はベッドサイドにち尽くし、泣きじゃくる葵を見ろしていた。
同はしない。 この女が私の庭に踏み込んできた罪が、消えるわけではない。 だが――
「泣くのは、になさい」
私の徹な声に、葵は涙でぐしゃぐしゃになった顔をげた。
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「……え?」
「泣いて解決するなら、何でも泣いていればいいわ。でも、そうしているに、康平はあなたを会社から追いし、絶同に無理やり判を押させるでしょうね。そして私は、を追いされて無文になる」
私は葵のベッドの端を掴み、鋭い線を投げかけた。
「あなたは、あの男にをめちゃくちゃにされて、黙って泣き寝入りするつもり?」
葵は息を呑み、涙で濡れた瞳をきく見いた。
「私には、あの男を社会に抹殺するための証拠がある。でも、それには決定なピースがりないの」
私は歩づき、葵の元に囁くように言った。
「そのお腹の子を盾にして、あの男の逃げを完全に塞ぐ気はある?」
私の言葉が、病の静寂を鋭く切り裂いた。
葵は息を呑み、涙で濡れた瞳をきく見いたまま、縛りに遭ったように私を見つめ返していた。 その細い喉が、ごくりとさくく。
「……な、何を言ってるんですか」
葵の声は震えていた。 だが、そこには先ほどのようなヒステリックな拒絶はなかった。 元が崩れ落ちた特の、恐怖と混乱が混ざりった響きだった。
「言った通りのよ」
私はベッドサイドに置いたパイプ子に、もう度く腰をろした。 背筋を伸ばし、ややかな線を葵の腹部へと向ける。
「あなたと仲良くを繋いで、親友ごっこをする気なんて毛ないわ。
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あなたは私の夫と貞を働き、私の庭にで踏み込んできた。その事実は消えないし、私があなたを許すことも絶対にない」
葵の肩が、びくりとねがった。
「でもね、現実を見なさい。今、あなたと私の共通の敵は、あの男よ。康平はあなたをしてもいなければ、その子を育てる気もない。私からを奪い取るための『具』としてあなたを利用し、用が済んだら絶をして端に捨てるつもりよ」
「……っ」
葵はシーツをぎゅっと握りしめた。 爪がくなるほど力を込め、唇を血が滲むほど噛み締めている。
「私は、自分のを買い戻したいだけ。そしてあなたは、自分とそのお腹の子のきるを確保するべきよ。あの男のに乗せられて、泣き寝入りして捨てられるか。それとも、あの男に相応の獄を見せて、法にむしり取れるだけのものをむしり取るか。……選ぶのは、あなたよ」
葵はい沈黙の、力なく首を横に振った。
「……無理ですよ。だって、私……契約社員だし、貯だってほとんどない……。康平さんに捨てられたら、私、でこの子を産んで育てるなんて……」
「で育てる必なんてないわ」
私は然と言い放った。
「康平に、父親としての責任をぬまで背負わせるのよ。認をさせ、養育費を毎、与の差し押さえをしてでも確実に支払わせる。
逃げなんて、本も残さない」
葵の瞳の奥に、怯えとは違う、微かなが灯ったように見えた。