"嫁の「逃げて」で暴かれた妻の計画" 第7話
それでも帰りでは私の腕を取り、好きな菓子まで買ってくれた。
「何もなくてよかったわ」
私は笑って頷いた。
その夜、眠ったふりをしていると、美佐が静かにベッドを抜けした。
ベランダのドアが閉まる。
い声で誰かへ話していた。
私は布団のでを澄ませた。
「浩お兄ちゃん。もうほとんど準備できたわ」
胸がねた。
ついに名がた。
「じいさん、もう自分の実印をどこへ置いたかも忘れたって言ってる。病院は診断をしてくれなくて困ってるけど、りいの医者に頼めば何とかなるとう」
じいさん。
それが私のことなのだと理解するまで数秒かかった。
「診断さえれば、施設に入れるのは難しくないわ。今週末にもう度連れてけばいい」
私は拳を握った。
「建物が片づいたら借も何とかなるでしょう。あとしよ」
話の向こうの声は聞こえない。
それでも美佐は親しげに笑った。
「配しないで。私だけを信じて」
連れ添ったにしか向けないような声だった。
そして最に、美佐はこう言った。
「じいさんには静かな所で休んでもらえばいいのよ。を取って子どもたちの負担になるより、その方が本のためでしょう」
私は鳴りつけたい衝を必にこらえた。
翌、すべてを桜たちへ伝えた。
也は拳を握った。
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「俺が直接く」
「だめだ」
私は止めた。
「今問い詰めれば逃げる。証拠を集める」
自分でも議なほど静だった。
もう妻を信じたいという迷いは消えていた。
数、桜と目につかない喫茶で会った。
録音した産業者の証言。
浩の借に関する公記録。
施設への申込。
実印と委任状の写真。
つずつ並べると、偶然で説できる余はほとんど残っていなかった。
そこで桜が古い封筒を取りした。
「お義父さん。実は、もうつ分かったことがあります」
からてきたのはの褪せた写真だった。
辺で若い男女が肩を寄せっている。
女性は若い頃の美佐だった。
男性は浩。
とも満面の笑みを浮かべていた。
別の写真では、浩が美佐の腰へ腕を回している。
私は裏返した。
付を見て言葉を失った。
20以。
私が美佐とりうはるか以だった。
「どうやってこれを?」
「浩と昔仕事をしていたを也さんが探し当てました。そのも浩におを返してもらえず、今でもっていたそうです」
は昔、恋同士だった。
結婚の話まであったが、浩の事業失敗と借で活が崩れ、そのも関係だけは途切れていなかったという。
そしてに困った末に、資産のある独男性へづく話をしていた。
私は写真を見つめた。
美佐を初めて紹介されたの事。
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「い親戚です」と言った浩。
初対面のふりをして敬語を使った。
今えば、美佐は浩が辛い料理を苦なことをっていた。
浩がを求めるにグラスへ注いでいた。
気配りのできる女性だとった。
違った。
20以緒にいたからっていただけだった。
「最初からだったのか……」
からた声は、自分のものではないように聞こえた。
3の結婚活。
朝の噌汁。
旅。
笑顔。
優しい声。
すべてが、私へづくためのい芝居だったのかもしれない。
桜が黙って私のへもう枚の類を置いた。
「あの保険の件も分かりました」
私は顔をげた。
「お義父さん名義の命保険です。数かに契約されています」
「私は申し込んでいない」
「そうでしょうね。署名も跡が違います。実印は本物の能性があります」
そして桜は度言葉を止めた。
「受取は、美佐さんです」
部の音がくなった。
介護施設。
産。
命保険。
のでませようとしたい薬。
私はようやく、あの粒をみ込んでいたらどうなっていたのかを考えた。
その瞬、背をたい汗が流れた。
私たちは弁護士へ相談した。
これまで集めた資料をつずつ確認した弁護士は、軽々しく断定はしなかったものの、実印の無断使用や本のに反する財産処分をめようとした形跡については、詐欺や文偽造など複数の問題がじる能性があると説した。
命保険については、さらに慎だった。
「この契約だけを見て最悪の図まで断定することはできません。