"嫁の「逃げて」で暴かれた妻の計画" 第3話
どこかで困っているんじゃないかとって、そればかり配で」
私は寝のでが揺れた。
あれほど自然に夫を配するが、本当に私を陥れようとしているのだろうか。
也も同じだったようだ。
「母さん、父さんがいなくなったなら警察には?」
「しようとったのよ。でも、最お父さん、物忘れが増えているでしょう?」
私は息を止めた。
美佐は涙を拭いながら続けた。
「このもが分からなくなったって言っていたし、話番号もすぐてこないことがあるし。騒ぎして警察に保護されたら、お父さんは認症扱いされたってるとったの」
が分からなくなった記憶など、私にはなかった。
しかし美佐は、まるで昔から何度もあった事実を説するような調だった。
「もしかしたら昔の記憶で也のへ来たんじゃないかとって、とりあえず荷物だけ持ってきたの」
筋の通った話に聞こえる。
あまりに堂々としているため、私自さえ自分の記憶に自信がなくなりそうだった。
そこへ桜が尋ねた。
「美佐さん。今朝、私にメールを送りましたよね」
ほんの瞬。
美佐の目が止まった。
「ああ、あれ?」
すぐに笑顔へ戻る。
「あれは友達の旦さんの話なのよ。認症の初期で薬を嫌がるから、どうやってませればいいか相談されていてね。その友達に送るつもりが、桜さんへ違えて送っちゃったみたい」
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「《お兄ちゃんからそっちに連絡を入れて》という部分は?」
「友達のお兄さんも伝っているのよ。事が複雑なの」
美佐は度も目をそらさなかった。
私は寝で呆然としていた。
嘘をついているに見えない。
なくとも、私が3ってきた美佐そのものだった。
しばらくして彼女はちがった。
「お父さんが来たら、すぐ連絡してね。晩でもで待っているから」
玄関のドアが閉まったあと、私はようやく寝からた。
也は腕を組み、難しい顔をしていた。
「父さん。俺、正直まだ分からない。美佐さんの言ってることも、あり得ない話じゃないとう」
「私もそういたいよ」
すると桜が静かに言った。
「でもつ、おかしいといませんか?」
「何が?」
「お義父さんは、いつからそんなに物忘れがひどくなったんですか?」
私は答えられなかった。
「私は今まで、お義父さんがに迷ったとか、族の話番号を忘れたとか、度も聞いたことがありません。なのに美佐さんだけが、最ずっと《お義父さんはボケてきた》《危ない》《忘れっぽくなった》って言ってますよね」
背筋がたくなった。
確かにそうだった。
物忘れの話を最初に言いしたのも、美佐だった。
最、所のからも「奥さん、変ね。ご主のこと配してたわよ」と言われたことがある。
そのはが分からなかった。
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「まるで先に周りへ話を作っているみたいです」
桜の言が、胸の奥へ刺さった。
「確かなことが分かるまで、美佐さんには何もらないふりをした方がいいといます。違いなら違いで、それを確認すればいいんです」
私はく息を吐いた。
妻を疑うということは、3の暮らしそのものを疑うことだった。
それでももう、目を閉じているわけにはいかなかった。
その夜、私は也のへ泊まることになった。
桜が持ってきてくれた湯をんでも喉の奥が固く、ほとんどがしなかった。リビングには私がサービスエリアへ持っていった旅鞄が置かれており、美佐がわざわざここまで運んできたものだった。
「、しわになってますからしておきますね」
桜が言ったが、私は自分でやると答えた。
になってから鞄をき、畳まれた類を順番に取りした。すると番に、見覚えのないの角が見えた。
数枚ではない。
みのある類の束だった。
私は何気なく引きした。
番には青い表のパンフレットがあった。
《青い空介護施設》
野県の部にある施設らしい。周囲を々に囲まれた建物の写真とともに、《期保護》《活観察》《族支援》という言葉が並んでいた。
「何だ、これは……」
私は旅の計画で介護施設など調べていない。
美佐から聞いたこともなかった。
パンフレットをめくると、そのに《入所相談申込》とかれたがあった。