"義母「家を売って弟の借金を返せ」夫に奪われかけた私の家" 第5話
「消さずに保管してください。今の段階では、ご主側がどこまで具体にいているかを把握することが切です」
私は査定依頼を指した。
「これ、私に話す4の付なんです」
坂本は黙って類を見た。
「なくとも、そのにはご主が売却について産会社へ相談していた能性がありますね」
私は自分ので何かが崩れていくのをじた。
そのの親子喧嘩ではない。
正也は私にらせるから、を売る準備をしていた。
事務所をて30分ほど経った頃、見慣れない番号から話がかかってきた。
ると隆だった。
「姉さん、俺」
彼から直接話が来たのは何ぶりだろう。
「どうしたの?」
「母さん、のこと言ってる?」
私はを止めた。
「言ってる。あなたの借が1000万円あるって」
隆が黙った。
数秒、さな声が聞こえた。
「1000万じゃない」
私はくの公園のベンチへ座った。
「どういうこと?」
「俺が借りたのは350万円くらいだよ」
隆は、途切れ途切れに話し始めた。
昨、正也から「絶対に利益がる投資がある」と誘われたという。関連の事業へ資を入れれば半で倍くになると説され、隆は貯とカードローンをわせて350万円を用した。
正也もをしていた。
最初の数かは額の配当が入ったため、2とも信用した。しかし、その会社と連絡が取れなくなり、資は戻ってこなかった。
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隆はそこで諦めようとした。
だが正也は違った。
「兄貴、取り返せるって言って、別の投資にも入れたんだよ」
「いくら?」
「俺も全部はらない。でも、自分名義だけじゃ借りられなくなって、俺に類かせた」
隆は恥ずかしそうに話した。
正也から「形式だけだから」と言われ、よく読まずに署名した類が何枚かある。そのには連帯保証のようなものもあり、から自分名義の借が膨らんでいることに気づいたという。
「母さんには?」
「ってるよ」
「ってる?」
「兄貴が会社にられたら困るから、俺がやったことにしろって」
私は言葉を失った。
正也は勤務先で課代理まで昇していた。仕事そのものは真面目で、義実では「男は派に働いている」と清子が自していた。
方、隆は何度も職を変えている。
清子にとっては、男が額の借を作ったという事実より、問題児だった次男へ責任を押し付ける方が都がよかったのだろう。
「隆さん」
「うん」
「本当にあなたが受け取ったのは350万円なの?」
「そう。類も残ってる」
「それなら、自分の弁護士にちゃんと相談して」
「姉さんにも言わなきゃとった。兄貴、売れば全部払えるって言ってたから」
「全部って、いくら?」
話の向こうで隆が息を吸った。
「俺がってるだけでも、兄貴の分は600万以ある」
私はスマートフォンを握り直した。
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清子の言う1000万円。
それは、隆の借ではなかった。
そのの夜、正也は午0くに帰宅した。
酒をんでいたようで、玄関からアルコールの匂いがした。ネクタイを緩めながらリビングへ入ってきた夫を見て、私は逃げずに話すことを決めた。
「隆さんから話があったわ」
正也のきが止まった。
「何の話だ」
「借のこと」
「余計なこと聞くな」
「1000万円、全部隆さんの借じゃないそうね」
正也がゆっくり振り返った。
その顔を見ただけで、隆の話が正しいのだと分かった。
「あいつ、何言った」
「自分が借りたのは350万円くらいだって」
正也は舌打ちした。
「あの馬鹿、本当に余計なことしやがって」
私は胸がたくなった。
否定しなかった。
「あなたはいくら借りてるの?」
「夫婦なのにのことでいちいち詮索するのかよ」
「私のを売ろうとしているに言われたくない」
正也は蔵庫から缶ビールを取りしたが、指が震えていた。プルタブをけたとき、がしこぼれてへ落ちた。
「最初は200万くらいだったんだよ」
正也は吐き捨てるように言った。
「それが増えて、取り返せるとったんだ。次ならいけるって言われたんだよ」
「それで借して投資したの?」
「結果論だろ」
「隆さんの名まで使って?」
「俺だけが悪いみたいに言うな。あいつだって儲かるとって乗ったんだ」
私は目のの男が、今まで緒に暮らしてきた夫なのか分からなくなった。
失敗すること自体は誰にでもある。