"義母「家を売って弟の借金を返せ」夫に奪われかけた私の家" 第3話
私はソファへ座り、めた茶を見つめた。清子の求は非常識だったが、それ以に気になるのは正也の反応だった。弟の借を聞いて驚く様子がなかったこと、マンションの価格をっていたこと、そして産という言葉を妙に自然ににしたこと。
私はスマートフォンを取りし、防犯カメラのアプリをいた。
半、同じマンションの別の階で空き巣被害があり、管理組でも防犯対策が話題になった。それをきっかけに玄関とリビングへ型カメラを設置し、映像は定期クラウドにも保されるようにしていた。
先ほどの映像を巻き戻す。
私がキッチンで茶を用していたとき、清子と正也が声で話している面が映っていた。
「3000よりげられたら困るわよ」
「分かってるよ。あそこなら最でも3100はいけるって言われた」
私はわず画面を止めた。
「言われた」
誰に?
さらにし戻すと、正也が清子へこう言っていた。
「権利と実印さえさせれば、あとは話をめられるから」
胸の奥がたくなった。
これは、そののいつきではない。
2は私のらないところで、すでにマンションの価値を調べている。それどころか、私の権利や実印がどこにあるのかまで気にしていた。
私は映像を別フォルダへ保し、クラウドにも複製した。
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そのあと斎へ入り、本棚の裏に置いてあるさな提げ庫を取りした。にはマンション購入の売買契約、登記関係の類、実印、関係の類をまとめている。
枚ずつ確認するうちに、私は自分が像以に無防備だったことに気づいた。
結婚当初、正也を疑う理由など何もなかった。庫の所も、印鑑をどこへ入れているかも、夫ならっていて当然だとっていた。の暗証番号まで共してはいなかったが、活費用の共同座については、お互い自由に確認できるようにしていた。
私は共同座の通帳を取りした。
毎、私は20万円を活費として入している。正也は5万円を入れる約束になっていたが、直2かは彼の入がなかった。
先、理由を尋ねたときは「会社の付きいが続いてがない」と言っていた。私は、たまにはそういうもあるだろうとく追及しなかった。
しかし今になって、その説まで疑わしくえた。
正也は自分のおが減ることを倍嫌うだった。コンビニで100円い商品を買っただけでも悔するような男が、突然、弟のために1000万円をどうにかしようと必になっている。
しかも、そのは自分でそうとせず、私のを売らせようとしている。
私はパソコンをき、産報を調べた。
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同じマンションの別の部が最3180万円で売りにされている。階や向きは違うが、私の部も確かに3000万円にはなる能性がありそうだった。
清子が話した額は、偶然にしては正確すぎる。
その夜、正也は午10を過ぎても帰ってこなかった。私は連絡せず、類をまとめ、翌朝番での貸庫へ移す準備をした。
さらに古いスマートフォンを台取りした。
そこへ監アプリを入れ、玄関のシューズボックス脇へ目たないよう設置した。が入りすれば通が届くよう設定する。
幼い頃、父は空についてこう言っていた。
「相がいてから慌てるな。まず相がくの気配を見るんだ」
当は試の話だとっていた。
だが今、自分が守ろうとしているのは試のポイントではない。
私のだった。
曜の朝、私はいつもより1くをた。
で貸庫の契約をい、マンション関係の類と実印をすべて預けた。個座のインターネットバンキングのパスワードも変更し、のため登録していたメールアドレスや認証方法まで確認した。
担当者から「何かありましたか」と聞かれたが、私は庭内の事とだけ答えた。
属製の貸庫の扉を閉めた瞬、わずかに肩の力が抜けた。
私はそのまま駅の喫茶に入り、ノートパソコンを広げた。
午までに納品しなければならない翻訳があり、庭の問題ばかり考えているわけにもいかなかった。