みかん小説
本棚

"0427の暗証番号が暴く夫の秘密" 第24話

あののためだけではない。それだとまた同じことになる。誰かのために自分を回しにして、に迷惑をかけるだけだ。私は私のためにやる。そうえるまでに私はかかった。

けてすぐ、私はさやかさんに話をした。

「あのね、変なことを聞くんだけど……はい」

から私、喫茶をやるの。鶴巻き町ってところで、万かかる」

「待って、待ってください。朝倉さん、それおかしくないですか?」

私は笑った。

「そうだね、順番がおかしいのは私の計なの。それで、その働いてくれるを探してるんだけど……」

話の向こうでさやかさんが黙った。い沈黙だった。私は焦って言葉をした。

「あ、もちろん無理にとは言わないよ。夜勤の方が料はいいとうし、いし」

きます。う、きますって言いました。今2回目です。1回しか聞こえなかった」

「じゃあ、3回言います」

そのからの準備が始まった。事はの終わりからの半ばまでかかった。私は毎鶴巻町へ通った。代がバカにならないので、そのうち駅のくにアパートを借りた。

縦の荘をさんは玄関先までてきて、「体に気をつけなさいよ」とだけ言った。

きよこさんは事の、ほとんど毎に顔をした。職さんにすわけではない。ただ来て、炭の子に座って見ている。

広告

見ながら々こんなことを言った。

「この棚、うちのが作ったのよ。捨てないでね」

「なんて言わないから残します」

「そう」

きよこさんはそれだけ言ってまた黙って見ていた。棚は残した。塗り直しただけだ。

の終わりに板の話になった。私は業者さんにを渡した。そこにいた文字は、ずっとから決まっていた。

《0427》

業者さんはを見て、それから私を見た。

「数字ですか?」

「はい」

「読み方は?」

「ゼロヨンニーナナです」

「変わってますね」

「はい」

私はそれ以しなかった。説する必のあることではなかった。

板がついた数に、保健所のが検査に来た。図面の通りに設備が入っているかを見ていく。洗いの蛇をレバーでかして油の温度を確かめて、蔵庫の温度計を覗いた。分ほどで終わった。

丈夫です。許で郵送します」

私は玄関でげた。げながら、あののノートの「これは決まりらしい」というしていた。

豆はきよこさんが紹介してくれた焙煎所から仕入れることにした。隣のにあるさなで、からかに卸していたところだ。初めて挨拶にったのおじいさんは私の顔を見てこう言った。

田島さんとこの豆を、あんたが引くのかい?」

「はい」

いのだよ。あそこは昔からいのだから」

広告

っています」

私はそれだけ答えた。

の朝はよくれていた。私はに入った。眠れなかったのでその方がかったのだ。窓をけてを拭いて、子を並べた。窓際にだけと形の違う子を置いた。の座面の子だ。「居しづらいと本が言うから」とノートにいてあった通りの子を、私は探して買った。

カウンターの端の壁にさな額をかけた。に入れたのは便箋の枚目だ。「もし私が隣にいなくても、0427を終わりのにしないでほしい。君が誰かのために灯すかりを俺は見たかった」。その便箋が見えるように入れた。の部分は裏に隠した。全部は見せないことにしたのだ。

カウンターのにはあのミルを置いた。きよこさんのの業務用のものと並べておくと、私のミルは随分さく見えた。売らなくて良かったとった。

に母が来た。幹線に乗って、そこから来線を乗り継いできた。玄関のところで板を見げて、しばらくかなかった。

「0427……うん、読みにくいね」

「うん、いい名だ」

母は靴を脱ぎもしないのに、玄関で泣いた。それから「洗いを貸して」と言って勝にエプロンをして洗い物を始めた。母は昔からじっとしていられないだ。

半にさやかさんが来た。髪をいつもよりいうちに結んで、慣れない黒いエプロンの紐を何度も結び直していた。

「緊張してます」と本が言うので、私はもっと答えた。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: