"消された母親の席" 第18話
赤い作確認用LEDランプのには、が漏れないようにテープをねる。
「、綾と修平がここに来ます。閉鎖されるに、あなたを別の施設へ移すための契約にサインをさせに来るはずです」
ベッドから顔をすと、由紀さんは息を呑んで私を見つめていた。
「奴らは勝ったとい込んでいます。必ず、を滑らせる。過の罪も、葵のことも、私のことも、すべて自分たちの柄のように勝ち誇って語るはずです。それを、この械に全部喋らせてください」
「真奈美……あなた……」
「私はもう、泣き寝入りする母親じゃありません」
私は由紀さんのたいを、両でく握りしめた。
「私のを奪い、私の子供をゴミのように処分し、葵をオモチャのように弄んだ奴らに、こので獄を見せてやります。だから、由紀さん……あともうだけ、耐えてください」
由紀さんの目に、涙が滲んだ。 彼女は力く、私のを握り返した。
「……殺してやって。あの悪魔たちを、社会にも、にも、完全に殺してやって」
ガチャン、と病の鍵が乱暴にけられた。
私は素くちがり、表を消してドアの方を向いた。 乱入してきた見張りの男が、審そうに私と由紀を見比べたが、私は無言で男の胸元に、さらに万円札を枚押し込み、横をすり抜けて通を駆けがった。
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にると、の霙は本りのへと変わっていた。
凍りつくような気が、照った私の頬を容赦なくやしていく。 私はレンタカーにび乗り、震える指でエンジンをかけた。
戦いは、ここからだった。
*
名速をへ向かってをらせながら、私はハンズフリーで藤先輩へ話をかけた。
ワイパーが、フロントガラスに叩きつけられる湿ったを忙しなく払いのけていく。
『真奈美! きてるか!』
「先輩、すべてに入れました。の覚の原本と、のすり替えを証するカルテの複写です」
話の向こうで、先輩が息を呑む音が聞こえた。
『……本当か。よく無事で持ちしたな』
「それだけじゃありません。由紀さんのベッドの裏に、録音を仕掛けてきました。、修平と綾が付けの百万を持って現れるはずです。そこで最の自を取ります」
『完璧だな。だが真奈美、油断するなよ。連は今夜、慶初等部の格祈願を兼ねたがかりなレセプションを控えている。を乗り切れば、推薦枠は完全に確定し、葵ちゃんの親権変更もされる段取りだ』
「ええ、っています。だから、奴らを番油断させなければならない」
私はパーキングエリアの暗がりへを滑り込ませ、エンジンを止めた。
スマートフォンを取りし、修平の番号宛てにメッセージアプリをちげる。
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画面を見つめる私の指先は、憎悪で微かに痙攣していた。 だが、打ち込む言葉は、極限までれで、無力で、完全に打ちのめされた女の言葉でなければならない。
私は画面をタップした。
『修平、ごめんなさい。もう疲れ果てました。 葵の親権を争う気力も、慶のお受験を支える自信も、すべて失いました。 私がを引きます。 の夜、帝国ホテルの宴席のに、実印と必類をすべてお渡しします。 その代わり、父の形見のハサミと、私の私物だけは返してください。 葵を、よろしくお願いします』
送信ボタンを押す。
わずか秒。 既読がついた。
返信は、あまりにも淡で、慈のかけらもないだった。
『賢な判断だ。の、帝国ホテル階の控えに類を持ってこい。騒ぎてたら承しない』
私はスマートフォンの画面を伏せ、ハンドルに額を押し当てた。
「……かかったわね」
暗ので、私の元から、氷のような笑みが漏れた。
奴らは完全に勝ったと確信した。 私が絶望に折れ、葵を放すことを受け入れたとい込んでいる。 番油断し、傲の極みに達した瞬こそが、あの悪魔たちの首根っこをへし折る唯の急所だ。
「先輩、いてください」私は再び通話ボタンを押した。「の夜、帝国ホテルの広です。慶の理事会、推薦枠の親たち、そして教育関係者が全員集まるあの所を、奴らの公処刑にします」