"暗証番号0427――元夫が残した24回の送金" 第5話
毎27の入
佐々が持って戻ったのは、座の取引細だった。美本の名義変更と確認が完したため、過の取引を提示できるという。
「この座は、結婚した直から朝倉様の業資として積みてられていました。設の申込と、そのの入記録も確認できています」
欄には、12で度もきな額が記録されていなかった。の資繰りが最も苦しかったにも、治療費がなったにも、優馬はこのを使っていない。美がを放したあとも、座だけはが続いていることになっていた。
美は細を受け取った。自分が働いていた頃に入れた、優馬が毎5000円や1万円ずつ加えた、との賞与から積みてたが、12分並んでいる。父親のの借がくなった期にも、この座から引きされた記録はなかった。
計は美が管理していたはずだった。それでも優馬が昼を塩むすび2個で済ませ、み会を断って残したのき先まではらなかった。
「婚したあとも、取引があります」
佐々が2枚目をいた。
最初の付は、婚した翌の1127。額は9万円で、振込欄には「タカセユウマ」と記載されていた。
美は、そのを指でなぞった。婚から1かの自分は、期の事務仕事を始めたばかりで、帰宅すると誰もいない部の照をつけられず、暗いままに座っていた。
広告
その、優馬は何も連絡してこなかった。けれど、見えないところで9万円を入れていた。
次は1227、9万円。その次も127、9万円だった。曜や末始になるだけ営業に処理されているが、指定はすべて27になっている。
細を1めくるたび、3の季節が逆向きに戻ってきた。初めて1で迎えた正、をしても頼る相がいなかった、契約を切られて夜勤を増やした。その同じに、優馬もまた決まった数字を送り続けていた。
「どうして27なんですか」
にした直、美は答えに気づいた。
427。が婚姻届をしたであり、カードの暗証番号0427のろ2桁だった。
通帳のでは、数字はを持たず然と並んでいる。けれど美には、その1ごとに、優馬がの画面へ振込額を入力している姿が見えるようだった。送に細を折り畳み、狭い寮へ戻っていく背まで像してしまう。
細の数字を追ううちに、を持つ指先がたくなった。優馬は婚、会社の寮へ移り、父親の借を返していた。それなのに毎9万円を同じ座へ送っている。美には、その活がどれほど切り詰められたものだったか像できた。
「この送について、税務の確認は済んでいます。1の計は108万円で、ほかに贈与とみなされる送がないことも、遺言執者が記録を確認しています」
広告
島の説はに入ったが、美は顔をげられなかった。優馬が何を考えて送ったのかは、まだ分からない。ただ、婚のに告げた「これで最」という言葉だけが、なくとも事実ではなかった。
宮原が別の類を机へ置いた。そこには婚の残が記されていたが、現残の欄は別になっている。美は額を見ることを恐れている自分に気づいた。なければ、優馬の為を最の同として拒める。ければ、そのに込められたまで受け取らなければならなくなる。
番の付は、昨1027だった。
優馬が事故でくなる、わずか13。
9万円。振込、瀬優馬。
同じ記録は、婚した翌から度も途切れず続いていた。美が震える指で数えると、全部で24回あった。
「では、現の残をお伝えします」
佐々が、細の最の欄を美の方へ向けた。