"「お前は下がれ」白衣を脱いで5年、俺が社長令嬢を救った" 第12話
もう度、教わる側へ
「復帰のお話は、お断りします」
院との面談で、俺は用してきた返事を伝えた。相は提案をいたまま、し体をへ傾けた。
「役職や待遇については、ご希望を聞かせてください。藤先が戻ることは、病院の再発にもつながります」
「俺の復帰を、病院が変わった証拠に使わないでください」
言葉を切ると、院は背筋を伸ばした。俺は机に置いた自分のへ目を落とし、続きを話した。
「報告を訂正していただいたことは受け止めています。ただ、医療へどう戻るかは、今の自分の力を確かめて決めたいんです」
5の肩は取り戻せても、5に変わった診療や、自分のの覚までは戻らない。その空を、採用条件で埋めてもらうつもりはなかった。
病院をてから、榊原先へ連絡した。美咲さんの搬送先で再会して以来、々況を伝えていた。今回の訂正も、すでにってくれていた。
「戻りたいんです。まず、研修を受けられるところから探したくて」
「うちの臓血管科と教育担当に相談してみる。話を聞くところからでいいか」
俺はお願いしますと答えた。にしたで、自分から医療の仕事を頼んだのが、辞めて以来初めてだと気づいた。
面談を経て、段階を踏んだ再研修の受け入れが決まった。と勤務を調し、最初は見学とシミュレーション研修へ通った。
広告
患者を任せてもらうに、技能と判断を確認する計画だった。
初、名札のついたを受け取った。袖を通すと、首がた。作業着よりい布を指でつまみ、俺は研修の扉をけた。
器具の持ち方は、が覚えていた。だが、初めて触る器の操作画面で迷い、指が止まった。説を聞いたばかりなのに、古い順へ戻ろうとしていた。
「すみません。今の確認順を、もう度教えてもらえますか」
指導を担当する医師は俺より若かった。彼はうなずき、画面を戻して説した。俺は横で見てから、自分で最初からやり直した。
「そこで止まって確認してもらえれば丈夫です。わかったことにしてめないでください」
「はい」
返事をすると、肩に入っていた力が抜けた。らないと言っても、ここでは席を失わなかった。
研修がむにつれ、うようにかないところと、まだ使える経験が分かれてきた。模擬患者が急変する訓練では、器の表示だけで判断せず、患者側の変化とわせて確認した。異常の切り分けを伝え、誰が何を確かめるかを声にした。
終わった、指導医が記録を見ながら言った。
「途から、チームがきやすくなりました。何を見て、次に何を頼むのかが伝わりました」
俺は、で美咲さんを支えていたをいした。さんが、何をすればいいと聞いてくれた声がなった。
広告
「1で全部しようとすると、見えなくなることがありますから」
「その覚は、次の研修でもかしてください」
その晩、渡された評価表を自宅でいた。改善が必な項目には印が付き、できていたことも具体にかれていた。俺は翌に確認する内容を、余へきした。
で使うメモ帳と、研修用のノートが並んでいた。どちらにも、わからなかったことと、聞いて確かめた答えが残っている。
沢グループからも、今の働き方について相談が来た。医療器の全評価に、臨と製造の両方をるで参加できないかという話だった。将来、連携する診療所で健康相談を担う能性も含めて、研修先と調していくという。
俺は、まず再研修を優先したいと伝えた。そので、で覚えたこともかしたいと答えた。
しばらくして、指導ので臨へむ次の研修程が決まった。通う数が増え、の勤務を続けながらでは難しくなる。
翌朝、俺はさんに、仕事のでをもらえないかと声をかけた。
「これからのことを、お話ししたいです」
さんは俺のにある研修程を見て、休憩で待っていると答えた。