"「お前は下がれ」白衣を脱いで5年、俺が社長令嬢を救った" 第11話
謝罪で終わらせない
訂正文を受け取った、俺は自分の名を2度確かめた。
〈藤誠医師による異常の認識及び対応始の遅れを認定した旧報告の記載を撤回する。〉
そのには、除されていた器の故障と管理の備、それらを遺族へ説しなかった経過が記されていた。病院の印が押されたを、俺は両で持った。
再調査が始まってから、数かが過ぎていた。同説会のも、回答内容の確認と院内の責任調査は続いた。今度の報告には、当の点検票も検査結果も添付されている。
遺族への説の席で、院が処分を伝えた。酒井は部職を解かれ、器管理と事故調査の判断に関わるからされた。再調査を止める条件で復帰を持ちかけた副院についても、対応が検証され、今回の調査業務かられていた。
メーカーでは、尾が品質部の責任者を解かれていた。検査結果を対回答から落とした経過を会社として認め、必な報告と再発防止策をめるという。
補償に関する話しいは、それぞれの正式な窓と野寺弁護士を通じて続けることになった。謝罪の言葉で、その続きを終えることはしなかった。
酒井は、院の隣でちがった。
「沢様、藤先。事実と異なる説をし、い、苦しめてしまいました。
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申し訳ありませんでした」
ががった。ではなく、暗いのスーツを着ていた。俺はその姿を見ながら、ので美咲さんを支えていた自分をいした。患者を救えなかったことを忘れたのか、と言った声は、まだ覚えている。
「藤君。君の将来を奪うつもりではなかったんだ」
顔をげた酒井へ、俺は訂正文を示した。
「俺が調べてほしいと言ったことを、先は何度も止めました。結果として何を奪ったかは、この記録と緒に受け止めてください」
酒井はを閉じた。俺は、謝罪を聞いたことだけを伝えた。許すという言葉は、まだてこなかった。
続いて沢社が、グループの医療顧問契約を終すると伝えた。5の説と、今回のでの対応を確認したでの決定だった。
「顧問の仕事については、今きちんと……」
酒井が言いかけると、社は首を振った。
「異常を訴えるの声を止めた方に、社員の健康を預けることはできません」
酒井は返事をせず、机のの契約終の通へ目を落とした。
説が終わり、美咲さんが父親とちがった。彼女は俺の持つ訂正文を見て、静かに言った。
「母にも、今のことを話します。兄のに起きていたことを、今度は資料を見ながら伝えられます」
俺はうなずいた。健太さんが戻るわけではない。それでも、族が聞かされる話から、事実が抜かれたままではなくなった。
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病院は遺族の向を確認し、個を特定する報に配慮して、調査結果と訂正を公表した。俺自は、名をして名誉を回復する説を求めた。以の結論をらされた関係先にも、訂正が送られた。
その面をへ渡すと、彼はそので読んだ。俺の同を確かめてから、勤務の切り替えに、同僚たちへ訂正の内容を伝えてくれた。
さんは、読み終えたを角まで揃えて返した。
「やっと、おが言ってたことが残ったな」
「はい。ここまで来られました」
俺が答えると、さんは肩を軽く叩いた。同僚が検品台の所を空け、いつもの箱を俺の方へ送った。
そのの仕事を終えた、携帯に病院から連絡が入った。院が、改めて復帰の相談をしたいという。以のように、調査をやめる条件は付いていなかった。
診療科のて直しに関わる役割も用したい、とかれていた。
俺はすぐに返事をせず、ロッカーに掛けた作業着を見た。どこへ戻るかを、今度は自分で決められる。