"「お前は下がれ」白衣を脱いで5年、俺が社長令嬢を救った" 第7話
戻る条件
酒井は、交換の器番号を示さなかった。
約束したに届いた回答も、〈交換を指示した認識はあるが、完を確認できる記録は見つからない〉というものだった。同に、副院から、俺の今について話したいと連絡が来た。
野寺弁護士に同席してもらい、再び病院へった。案内された応接の棚には、以と同じ病院案内が並んでいる。俺の写真が載っていた頃より、冊子だけがくなっていた。
「藤先には、もう度医療に戻っていただきたいんです」
副院は、机に提案を置いた。再研修の受け入れと、そのの常勤採用に向けた相談。酒井の推薦で院内の調をめられるという。
俺は最初のページを読んだ。へくために毎朝閉めていた作業着のファスナーが、胸元にあるような気がした。医療に戻る。考えないようにしていた言葉が、すぐに置かれていた。
「条件を、最まで読ませてください」
次のには、過の報告の結論を争わないことと、本件について今の申てをわないことがかれていた。
「活も将来もあるでしょう。いつまでも過に縛られるより、双方がを向ける形を考えたいんです」
俺は提案を机へ戻した。
「報告を調べ直さないことと引き換えなんですね」
副院はすぐには答えず、隣の酒井がをいた。
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「5の空がある君を受け入れる病院が、いくつあるとう。せっかくの会を、また自分で捨てるのか」
その言い方で、ようやく顔をげられた。戻る所を決めるから、俺はまた、このの許を待つにされかけていた。
「復帰の相談はありがたいです。でも、その条件では受けません」
「を張るな。君は自分で責任を認めて辞めたんだろう」
酒井は別の封筒から、俺の退職届の写しをした。にある署名は、確かに俺がいたものだった。
俺はを元へ寄せた。あの、文字がならないようにくだけで精いっぱいだったことを覚えている。
「退職理由は、の都です。どこに医療過誤を認めるといてありますか」
酒井の指が、署名のそばで止まった。
「病院を辞めた事実は消しません。でも、辞めた理由まで先の説にわせるつもりはありません」
野寺弁護士は退職届の写しを確認し、再調査の依頼をした。過の調査資料を保し、病院の専を交えて経過を検証してほしい。俺もその文面を読み、今度は自分で署名した。
「俺の対応に問題があったなら、そこも調べてください。ただし、器と管理の記録も同じ机にしてください」
副院は復帰の提案をね、依頼を受け取った。俺は退職届の写しを残さず、自分のファイルに挟んだ。
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帰りのに乗る、美咲さんから話があった。退院も自宅で療養していて、今の面談を気にかけていたという。
「戻れる話を断ったと、父から聞きました」
「すぐに医者へ戻れるわけではありません。研修からです。それでも、瞬、受けたいといました」
「そうってもいいといます。先が続けたかった仕事でしょう」
俺は病院の窓を見た。を着たが廊を横切っていった。
「でも、健太さんに何が起きたかを置いていく条件でした。それでは、戻っても同じです」
美咲さんはし黙ってから、私たちも調べ続けますと言った。俺を励ますためだけの返事ではなかった。
それから、資料の理と専への依頼に数週かかった。病院は部の検証を受け入れ、保管していた事故調査の資料を提した。
ある夕方、野寺弁護士から送られてきた覧を、自宅の机でいた。族へ渡された最終報告には載っていない類が、保資料のに含まれているという。
〈当初点検票。作成者・臨学技士、瀬理恵。〉
瀬さんは、あの、俺と同じ所にいた。代わりの器を探しにっただった。
そのが当に残した記録を、俺はまだ度も読んでいなかった。